ロシアの新型コロナウイルスワクチン「Sputnik V」、韓国で生産

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11月13日のタス通信によると、ロシア直接投資基金(RDIF)は、「RDIFと韓国有数のバイオテック企業のGL Rapha は、世界で初めて承認されたSputnik V ワクチン年間1億5千万回分以上を韓国で生産する協定を結んだ」と明らかにした。

12月からGL Raphaで生産に入り、来年1月に世界市場への輸出用供給を始めることで合意した。
GL Raphaは「韓国への供給用ではない。生産するワクチンは全量RDIFに送る計画だ」としている。

ロシア政府は、モスクワの国立Gamaleya疫学・微生物学研究所が国防省と開発中のSputnik Vワクチンを8月に承認した。PhaseⅡ臨床試験を終えた時点で承認し、その後にPhaseⅢの1600人への治験を並行して進めるとされた。

2020/8/4 ロシアが新型コロナワクチンの接種を10月に開始 

RDIFは11月11日、「Sputnik V の効果が92%に達した」と主張した。現在 このワクチンは4万人を対象に、フェーズ3の臨床試験を進めている。

50か国以上から12億回分以上のSputnik V ワクチンの供給要請を受けているという。韓国以外にインド、ブラジル、中国その他でも生産する計画で、現在のところ、ロシア向け以外で年間5億回分の生産が可能となっている。


なお、ロシアは
10月14日、2番目の新型コロナウイルスの国産ワクチンが承認している。シベリアのノボシビルスク州にあるVektor 国立ウイルス学・生物工学研究センターが開発した ペプチドベースのワクチンで、EpiVacCoronaと名付けられている。

2020/10/19 ロシア、2番目の新型コロナワクチン承認


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GL Raphaは輸出用医薬品を受託生産している。他社からの受託生産に加え、子会社 Hankook Korus Pharm でジェネリック医薬品も生産している。

生産品目は、抗生物質のセファロスポリン、抗がん剤、バイオ製品(エリスロポエチン:EPO、ヒト成長ホルモンhGH、インターフェロン、その他)、その他(サプルメントを含む)。

GL Raphaは2019年10月、サウジアラビアの General Investment Authority との間で320百万ドルを投資してサウジでバイオ医薬品を生産するMOUを締結した。

今後5年で30種のバイオ医薬品、5種のその他の革新的製品を生産する設備を建設する。原料から生産する。

本年5月にはCOVID-19用のヒドロキシクロロキンをサウジに輸出した。

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中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカのBRICS5か国の首脳会議 が11月17日にオンラインで開かれた。

議長国のロシアのプーチン大統領は、すでに2種類の新型コロナウイルスのワクチンを承認し、3種類目の開発を進めているとしたうえで、「われわれはインドやブラジルとワクチンの臨床試験を実施する。中国やインドの製薬会社とは第3国のためのワクチンの生産拠点を開設する協定も締結している」と述べ、各国と協力してワクチンの開発や生産を進める考えを示した。

また、習近平国家主席は中国が参加し、米国は参加していない
ワクチンの共同購入の国際的な仕組み「COVAX Facility」に言及し、「この基盤を活用し特に発展途上国に優先的にワクチンを共有していく。BRICS各国にも積極的に提供する用意がある」と 述べた。

11月21~22日に予定する20カ国・地域首脳会議(G20サミット)をにらみ結束を演出した。

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