網膜色素上皮不全症に対するiPS細胞由来RPE細胞懸濁液の移植

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神戸市立神戸アイセンター病院は1月20日、「網膜色素上皮(RPE)不全症に対する同種iPS細胞由来RPE細胞懸濁液移植に関する臨床研究」が、1月20日に開催された厚生科学審議会再生医療等評価部会にて了承されたと発表した。

RPE細胞は視細胞の外側にあり、視細胞を保護する役目を持つ。

RPE不全症は、RPE細胞の遺伝子に異常があったり、近視がとても強かったり、加齢によるストレス、または炎症が起きたりすることでRPE細胞が働かなくなり、続いて、RPEに保護されなくなった視細胞も働かなくなるために、目が見えにくくなってしまう、いろいろな種類の病気が含まれる。

理化学研究所と先端医療振興財団は2013年8月1日、iPS細胞を使い、RPE細胞異常による滲出型加齢黄斑変性の患者6人を対象に目の網膜を再生する世界初の臨床研究を開始した。

網膜下の脈絡膜新生血管や傷害を受けたRPEを取り除いた後、iPS細胞から作製したRPEシートを網膜下へ移植する。

  2013/12/4 大日本住友製薬と理研認定ベンチャーのヘリオス、iPS細胞由来医薬品を共同開発

神戸アイセンター病院では、滲出型加齢黄斑変性の患者に対し、RPE細胞の移植(自家細胞シート1例、他家懸濁液5例)を実施した。(安全性について確認済)

これまでのRPE細胞移植では、安全性を確認することを主な目的としていたが、今回の臨床研究では、移植の対象疾患を拡充し、新しい治療法の有用性(視機能、QOL)や安全性を確認する。

今回の臨床研究では、RPEシートの移植ではなく、他家(他人の細胞)のiPS細胞より作製したRPE細胞を含む液体(懸濁液)を、RPE不全症の患者に移植する。

理化学研究所で製造したRPE細胞を使って、神戸アイセンター病院網膜再生細胞手動調製室で細胞懸濁液を作る。

目標症例数は50例で、移植後の観察期間は4年間。

RPE不全症に含まれる病気のうち、どの病気にRPE細胞移植の効果が期待できるかを調べることと、移植の効果を調べるために行う検査について評価する。
また、移植したRPE細胞が患者の眼の中で生着しRPE細胞としての機能を果たすかや、免疫拒絶反応などの安全性の評価も行う。


神戸市立
神戸アイセンター病院は、「網膜色素変性に対するiPS細胞由来網膜シート移植に関する臨床研究」を実施している。

2020/6/15 iPS網膜シートの移植、臨床研究開始へ 


なお、大阪大の西田幸二教授(眼科)らのチームの
「角膜上皮幹細胞疲弊症に対する他家 iPS 細胞由来角膜上皮細胞シー トの first-in-human 臨床研究」を行なっている。

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