三井物産、モザンビークの炭鉱事業から撤退

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三井物産は1月21日、Vale S.A.と共同でモザンビーク共和国で開発しているモアティーズ炭鉱事業およびナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業の三井物産全持分、これに付随する融資をValeにそれぞれ1.0米ドルで譲渡する基本合意書を締結したと発表した。

三井物産は、2017年3月にValeより、モアティーズの95%権益を保有する同社子会社の15%持分、およびナカラを推進する同社子会社の50%持分を取得し、本事業の開発推進と操業改善に取り組んできた。

出資関係
  参加前 参加
Moatize炭鉱 Vale子会社 95% Vale(Vale子会社の85%) 80.75%
三井物産(Vale子会社の15%) 14.25%
モザンビーク鉱物資源公社 5% モザンビーク鉱物資源公社 5.00%
 
Logistics Nacala Corridor Vale子会社 70% Vale(Vale子会社の50%) 35%
三井物産(Vale子会社の50%) 35%
モザンビーク企業、鉄道港湾公社

30%

モザンビーク企業、鉄道港湾公社 30%


2016/10/7 三井物産のモザンビークの炭鉱と鉄道・港湾インフラの投融資額変更 


モアティーズ炭鉱は原料炭と一般炭を産出し、2019年の生産量は900万トンだった。

Valeは脱炭素の流れを受け石炭事業からの撤退を決めており、三井物産も歩調を合わせる。年内の譲渡を目指す。

Valeは当面操業を継続し、最終的には第三者への売却を検討する。

三井物産はこれまでに本事業での減損を計上しており、2020年9月末時点での投融資簿価は、炭鉱事業がゼロ、回廊鉄道・港湾インフラ事業が約5億ドルだった。

本事業の譲渡実行に伴い見込まれる損失は現在精査中だが、2021年3月期の通期連結業績予想では損失を考慮している。

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