アストラゼネカ、ワクチンを日本で製造委託

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アストラゼネカは2020年12月10日、日本政府との間で、日本における1億2千万回分の新型コロナウイルスワクチンAZD1222の供給について最終合意書を締結した。

日本においては国内の臨床試験の結果も合わせてアストラゼネカが承認申請を行う。

米政府の新型コロナウイルスのワクチン開発を加速するOperation Warp Speedのスラウイ首席顧問は2020年12月30日、このコロナワクチンの緊急使用について、米国では2021年4月に承認される公算が大きいと述べた。

日本への供給の1億2千万回分のうち、25%分は輸入し、75%の9千万回分を日本で委託生産する。輸入の3千万回分は3月までに輸入する。

製造委託先は
JCRファーマで、海外での供給遅れが表面化するなか、国内のワクチン生産で一定量を確保して安定供給につなげる。

JCRファーマは20201230日、下記発表を行った。

当社アストラゼネカが開発中のアデノウイルスベクターを用いたCOVID-19に対するワクチン(AZD1222)について、国内における原液製造に関し、アストラゼネカと業務請負契約を締結した。

アストラゼネカが国内導入するワクチンの原液の国内製造を受託すること、よび、原液製造のために室谷工場(神戸市西区)の製造ラインを確保し製造することにつき、アストラゼネカと合意し契約を締結した。

当社は、バイオ医薬品の製造技術を有する製薬会社として、遺伝子治療の研究に携わっている研究員も参画し、早期に同ワクチンの国内安定供給に向け、原液の製造を加速する。

JCRファーマは旧称日本ケミカルリサーチ㈱で、「バイオ医薬品のJCRと自負している。

アストラゼネカから製造技術の移管を受け、遺伝子を改変したアデノウイルスの提供も受けた。これを培養し、精製する。

JCRでの出荷準備が整うのは早くても5月頃とされる。

日本での供給体制は下記の通り。

原液

① 輸入、② JCRファーマに製造委託

バイアル充填 第一三共バイオテック KMバイオロジクス
保管・流通 第一三共 Meiji Seika ファルマ

KMバイオロジクス は1945年に熊本大学の実験医学研究所を母体として設立された化学及血清療法研究所の医薬品製造販売業を継承して2018年に設立された。明治ホールディングスの連結子会社で、「ヒト用ワクチン」「動物用ワクチン」「血漿分画製剤」を扱う国内唯一のバイオロジクス企業。

PfizerやModernaのワクチンは零下20~70度での保存が必要とされるが、AstraZenecaのは普通の冷蔵庫と同じ2~8度で保存できるため扱いやすく、接種を大規模に広めやすいとされている。 ーーー

AstraZenecaは2020年6月、日本政府との間で、新型コロナウイルスワクチンの日本への導入に向けた具体的な協議を進めることに合意した。

厚生労働相は2020年8月7日、AstraZenecaから日本国内向けに1億2千万回分の供給を受けることで基本合意したと発表した。

第一三共は6月26日、このワクチンの国内における製剤化(バイアル充填、包装、保管等)などについてAstraZenecaと協議を進めることに合意したと発表した。

明治ホールディングスは同日、傘下のMeiji Seika ファルマとKMバイオロジクスが、アストラゼネカ㈱が日本へ導入予定の新型コロナウイルスワクチンの国内安定供給に向けた協議を進めることに合意したと発表した。

2020/6/27 政府、新型コロナワクチン供給でAstraZenecaと協議 

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EUはAstraZenecaに対し、Astraが契約通りに供給しないことに不満を表し、英国工場からの供給を強く求めた。

European Medicines Agency (EMA) は間もなく、このワクチンを承認する。(英国は既に2020年12月30日にこれを承認している。)

付記

欧州委員会は1月29日、AstraZenecaのワクチンを承認した。EUでの新型コロナワクチンの承認は3例目で、近く接種を始める。
ドイツの当局は65歳以上への使用を推奨しないとの考えを示していたが(下記)、EMAは高齢者に対しても効果が期待できるとした。

18歳以上が対象で、1回目の接種から4~12週間後に2回目を接種する。

AstraZenecaはEUに対し、欧州工場(ベルギーとオランダ)における生産問題が原因として2021年1~3月に契約量の60%しか供給できないと伝えていた。

生産が予定より2か月遅れているとしている。

英国には予定通り供給しているが、これについてAstraZenecaは、EUは2020年8月に3億回分の契約をしたが、英国はその3か月前に契約しており、十分調整できたとしている。

これに対しEU側は、契約には早く契約したところを優先するという条項はないとし、英国工場からの供給を求めた。


欧州委は近く、ワクチンをEUから域外に輸出する場合、登録を義務付ける新制度の提案をまとめる。輸出禁止を計画しているものではなく、透明性を高めることが目的だとしている。


米Pfizerも、1月下旬から2月上旬にかけ、出荷量が一時的に減少すると発表した。

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ドイツのワクチン委員会は1月28日、AstraZeneca ワクチンについて、65歳以上の高齢者に接種すべきではないとの見解を発表した。

「65歳以上の被検者の数が少なかったことから、高齢者における有効性と安全性に関する結論を出すことはできない。従って現時点でワクチンを勧告するのは、18~64歳の年齢層のみとする」としている。

これに対しAstraZenecaは、「65歳以上の高齢者に対する同ワクチンの有効性は、最新の臨床試験データの分析によって裏付けられている」と反論、EU医薬品規制当局による判断を待つとしている。

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