水戸地裁 東海第2原発の運転認めず

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茨城県など9都県の住民が日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)は安全性が確保されていないとして運転差し止めを求めた訴訟で、水戸地裁は3月18日、運転を認めない判決を言い渡した。

地震の規模や津波の高さに関する原電の想定が適切かどうかや、建物の耐震性の有無が争点であったが、裁判長は「地震や津波の想定、建物の耐震性に問題があるとは認められない」とする一方、広域避難計画を策定した市町村が一部にとどまっており「人格権侵害の具体的危険がある」と判断した。

原電は2022年12月をめどに安全性向上対策工事を終え、早い段階での再稼働を模索していた。判決を不服として控訴する方針。


付記

東海第2原発の事故に備えた広域避難計画で、避難住民を受け入れる避難所が現時点で2万人分も不足していた。茨城県が2013、18両年に実施した避難所調査で、収容人数の過大算定が繰り返されたため 。
6市町村では、県の指示にもかかわらず、大半の避難所の総面積から「非居住スペース」を除外しないまま収容人数が算出されたのが原因だった。 (4/3 毎日新聞)

上記判決では「広域避難計画を策定した市町村が一部にとどまっている」としたが、策定した計画で避難所不足が明らかになり、再稼働には反対が強まると思われる。

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原子力規制委員会は2018年11月7日、稼働から40年を迎える日本原子力発電・東海第2原発の運転期間の延長を認可した。

再稼働までに2つの問題をクリアする必要がある。

1) 安全対策工事

高さ20メートル、全長約1.7キロの防潮堤を建設して津波の浸入を防ぐ。
また原子炉格納容器の容積が小さく、事故時に事態が悪化しやすい沸騰水型の特徴を踏まえ、炉心を冷やす予備の冷却装置を追加で備える。

安全対策費に1740億円が必要としたが、原発専業の原電は自前で調達できず、規制委は資金確保を合格の前提条件とする異例の対応をとった。
原電は東京電力と東北電力から支援を受ける方針を示した。

2) 地元の同意

東海第2は首都圏唯一の原発で、30キロ圏内に全国の原発で最多の96万人が暮らしている。

既存の安全協定では事前了解権が東海村と県に限られるが、東海村・日立市・ひたちなか市・那珂市・常陸太田市・水戸市の要求を受け、東海村のほか周辺5市にも「実質的な事前了解権」を認める全国初の安全協定を結んでいる。 但し、「事前了解を得る」とはしているが、自治体間で賛否が分かれた場合、再稼働を止められるか、決められていなかった。

6市町村は2018年11月9日の首長懇談会で、1市町村でも了解しなければ、再稼働には進まないとの認識で一致した。那珂市の海野徹市長は10月22日、「完全な避難計画の策定はできない」と述べ、再稼働に反対する意思を表明した。

今回、裁判長はこの点を取り上げた。

原電の和智信隆副社長は運転期間延長が認可された2018年11月7日、報道陣に「拒否権という言葉は新協定の中にはない」と発言、これに対し首長側が強く反発したため撤回した。

2018/11/10 東海第2原発の運転延長を認可 

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