積水化学、「抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレー」の新型コロナウイルスへの不活化効果の持続性を確認

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積水化学は3月1日、同社の100%子会社の積水マテリアルソリューションズが「抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレー」について、新型コロナウイルスへのウイルス不活化試験を外部研究機関で実施し、次の効果を確認したと発表した。

・一定の条件下でこのスプレーを新型コロナウイルスに1分間接触させると、ウイルス感染価が99%以上減少した。

・一定の条件下でこのスプレーを噴霧したフィルムに、噴霧して1か月後に新型コロナウイルスを5分間接触させると、ウイルス感染価が99%以上減少した。

これらの結果により、抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレーおよびその噴霧フィルムは、新型コロナウイルスを短時間で不活化することが判明した。
また、1カ月静置させた噴霧フィルムで効果があったことから、不活化効果の長期継続が期待できる。


スプレー成分は
抗ウイルス加工剤成分、発酵アルコール、イオン交換水

試験実施機関は、①
奈良県立医科大学 及び ②MBTコンソーシアム(「Medicine-Based Town=医学を基礎とするまちづくり」の理念を達成するために設立され、現在ほぼすべての業種から170社以上が参加)

詳細 https://www.sekisui.co.jp/news/2021/1358941_37322.html


積水マテリアルソリューションズは2017年10月、「ナウケア™(NOWCARE) ウイルス除去(エンベロープ有)エアゾールスプレー」を発売した。

積水化学グループでは、長年培ったプラスチック加工技術を生かした抗ウイルス加工剤を開発し、積水マテリアルソリューションズより2012年に抗ウイルス加工剤を発売した。これを自社でスプレーとして製品化した。

NOWCAREは、ドアノブや手すり、便座、スイッチなど、人が接触する物に対してスプレーすることで、対象物にウイルス除去効果を付与 する。
1回のスプレーで約1週間ウイルス除去効果が持続する。

インフルエンザウイルスなどエンベロープ("脂肪の膜")を有するウイルスで効果を確認している。発売後に蔓延した新型コロナウイルスもエンベロープを有している。


成分:

主成分:陰イオン系ナトリウム塩
添加物:エタノール、精製水、アルコール類

仕組み:

単糖の一種であるノイラミン酸と類似したイオン基を有したポリマーで、 エンベロープを持つウイルスを捕捉する。

ドアノブや手すり、便座、スイッチなど、人が接触する物に対してスプレーする。
室内に浮遊するウイルスが塗布面に付着すると、ウイルスを吸着して離さず、塗布面に手が触れても、ウイルスが手にくっつかない。

効果:


同社では、この発表時点で、「全てのウイルスに効果があるわけではありません」としていたが、今回、新型コロナウイルスについて効果を確認した。

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