GE、金融事業から撤退

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GEは3月10日、GE Capital の航空機リース事業 GECAS (GE Capital Aviation Services business )をアイルランドの同業大手AerCap Holdings N.V. に売却し、金融子会社のGE Capitalを解散すると発表した。

GE Capitalは住宅ローン事業など過去に手掛けた金融事業の大部分から撤退したが、主力の航空機エンジン事業との関連性が高い航空機リースは継続していた。

同事業を切り出すことで、GE Capital の事業規模は大幅に縮小するが、GECAS売却に合わせファクタリング(売掛債権買取)事業のほとんどをやめ、残るGE Capital の業務は他の事業に分散させる。

金融事業から事実上撤退し、電力、再生エネルギー、航空機エンジン、ヘルスケア事業に専念する。

GEは同部門のエンジンのリースやMilestone helicopter リースを含む340億ドルの簿価の資産を譲渡する。現時点でのGECASの購入契約も移管され、400人以上の従業員も移管される。

GECASは2014年にアイルランドのMilestone Aviation Groupを17億8000万ドルで買収する ことで合意し、レンタル資産にヘリコプターが加わることになった。

売却額は300億ドル以上で、うち240億ドルは現金、約60億ドルはGECAS統合後のAerCapの株式で、10億ドルはAerCapの手形又は現金で支払われる。
GEは株式取得でAerCapの約46%の株主となるが、取引完了の15か月後に全体を売却する権利を持つ。

簿価よりも安い価格での売却となり、2021年度第1四半期に約30億ドルの売却損を計上する。

GEは取引完了後、手元資金も含めて300億ドル程度の借入金を返済する。

取引完了には9~12カ月かかると見られている。

2018年に就任した会長兼CEOのH. Lawrence Culp, Jr. はバイオ医薬関連事業など非中核事業の売却を進めてきた。リース事業の分離により、産業部門を中核とする事業再編が完了する。

CEOは「GEは焦点を絞り、よりシンプルで、より強力な事業会社に変貌する」と述べた。

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GEは2018年6月26日に今後の事業構造を発表した。

2000年のGEの売上高は金融が50%を占めたが、2016年の売り上げ構成は産業機器がほとんどを占める。

GEは2017年11月に、電力、航空、ヘルスケアの3事業を中核と位置づけ、その他の分野で200億ドルの事業売却を進めるリストラ策を発表していた。だが、その後も過去に手掛けた金融事業で1兆円近い追加損失が発生するなど業績悪化に歯止めがかからず、戦略の抜本的な見直しを迫られた。

Transportation(機関車)、HealthCare、Baker Hughesの処分を決めた。

Healthcareについては下記により分離する。

子会社GE HealthCareの株式の20%を売却、80%をGEの既存株主に割り当てる。
この分社化で誕生する新会社が180億ドルの負債をGE本体から引き継ぐ.
売却や割り当ての条件は今後詰める。一連の手続きが完了するまでには12~18ヵ月かかる見込み。→現時点で進展なし。下記参照。

GE Capital については、引き続き縮小し、コア事業を支える方向に進めるとした。

2018/7/2 GE、今後の事業構造を発表、GE Healthcareを分離 

Jeff Immelt 会長兼CEOは2017年12月31日に会長を退任し、引退した。
GE Healthcareの社長John Flanneryが2017年8月1日付でGEのCEOになり、2018年1月1日付で会長兼CEOになった。

しかし、John Flanneryはその後の業績悪化と株価低迷の責任を取って、就任1年2か月後の2018年10月1日に退き、後任に2000年から2014年まで米産業機器大手Danaher Corporation のCEOを務めたH. Lawrence (Larry)Culp, Jr が就任した。GEのCEOに外部の人材が就くのは初めて。

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GEは2019年2月25日、GE Healthcareのバイオ医薬事業を産業機械大手のDanaher Corporation に214億ドルで売却すると発表した。バイオ医薬事業はバイオ医薬の研究開発や検査のための機器や消耗品の販売を手掛ける。同分野では世界大手で、2018年12月期の売上高は約30億ドルだった。

GEは金融事業の損失に加え、2018年7~9月期に主力の電力事業でも2兆円を超える減損損失が発生した。売却で得た資金を使って財務の立て直しを進める。

Larry Culp CEOは「売却によって事業領域を適正に絞り込み、負債の圧縮と財務強化を進める」とコメントした。

  Larry Culp CEOはDanaher 出身で、古巣に事業を売却する。

この売却により、2018年6月にJohn Flannery前CEOが発表したGE Healthcare 分離案は白紙に戻ったとされる。

2018年の事業構造変更でGEはヘルスケアをメイン事業から外し、 電力と航空機エンジン、及び新設の再生エネルギーの3事業をメイン事業と称してきたが、今回、ヘルスケア事業もメイン事業に 戻した。今後ともGEの主要事業として存続させるよう変更したと見られる。

2019年2月に発表された2018年のAnnual Report でバイオ医薬事業の売却に触れ、「GEはHealthcare事業の残る部分を維持する積りである」としている。

最近の業績(百万ドル)   Healthcare部門の貢献が大きい。

2018 2019 2020
売上高
 Power 22,150 18,625 17,589
 Renewable Energy 14,288 15,337 15,666
 Aviation 30,566 32,875 22,042
 Healthcare 19,784 19,942 18,009
 (小計) (86,788) (86,779) (73,306)
 Capital 9,551 8,741 7,245
 部門間ほか 673 -305 -932
 (合計) (97,012) (95,214) (79,619)
営業損益
 Power -1,105 291 274
 Renewable Energy 140 -791 -715
 Aviation 6,454 6,812 1,229
 Healthcare 3,522 3,737 3,060
 (小計) (9,011) (10,049) (3,848)
 Capital -489 -530 -1,710
 (合計) (8,521) (9,519) (2,138)
減損損失 -22,136 -1,486 -877
非継続事業損益 -1,364 -5,395 -125
株主帰属損益 -22,802 -5,439 5,230

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