中国「食べ残し禁止」法可決 

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中国の全国人民代表大会常務委員会は4月29日、食品の浪費を禁じる「反食品浪費法」を可決した。 近く公布し、公布日に施行する。

2020年8月、習近平国家主席が「食糧安全保障には常に危機意識を持たなければならない」と強調した。大豆やトウモロコシを輸入する米国との対立が長引くことも視野に、食品廃棄物の断固たる停止の必要性を強調した。

政府系シンクタンク、中国社会科学院などの調査では、中国都市部の飲食店で1年間で3000万~5000万人が食べる量に相当する1700万~1800万トンの残飯が発生しているという。
一方、就農人口の減少で25年に約1億3000万トンの食糧不足に直面しうるとの試算もある。

2020年9月、全国人民代表大会常任委員会は、特別調査を開始し、10月17日に食品廃棄の反対と食品の大切さに関する声明が、新たに改正された未成年者保護法に正式に組み込まれた。

その中で、学校と幼稚園は、勤勉と倹約、食品廃棄への反対、食べ物の大切さ、文明化された食事などの宣伝と教育活動を行うべきであると規定した。

2020年12月22日に全国人民代表大会で「反食品浪費法」が初めて審議され、今回可決された。

内容は次の通り。

 ・公务活动用餐不得超过规定标准

公的行事での食事は、規定された基準を超えてはならない。

 ・可奖励"光盘行动"消费者

「光盤行動」を奨励 

2013年に中国で広まった「食事を残さずに食べよう」と呼びかける運動。(「光盤」とは「皿を空にする」という意味)

中国ではゲストが食事を残さず食べると、もてなしが足りなかったと解されるため、会食の際には食べ残しをすることがマナーとなっている。これに対して、「私は食事を残しません」という運動が起こった。

 ・点餐浪费可收厨余垃圾处理费

大量の食べ残しをした顧客に食品廃棄物の処理費用を請求できる。

 ・商家诱导误导消费者超量点餐,最高罚1万

中国には宴会の主催者が自らのメンツのために多めに注文する習慣があるが、飲食店が客に過剰な注文を促すことも禁止し、違反者には最大1万元の罰金を科す。

 ・食品生产经营者严重浪费,最高罚5万

食品の無駄が多い店や店員に最高5万元の罰金

 ・制作发布传播暴饮暴食视频节目,最高罚10万

暴飲暴食をあおる大食いを売りにした番組や動画の放送、配信を禁じ、大食い番組にかかわったテレビ局や動画配信業者に最大10万元(約160万円)の罰金を科す。

中国ではSNSで大量に飲み食いする動画の投稿が過熱し、当局が規制に乗り出すなど、社会問題になっている。

飲食店のほか、食堂を持つ政府機関や学校、出前アプリを展開するネット企業にも食品の無駄が生じないような対策を要求した。

スーパーには賞味期限切れが近い商品の管理を徹底し、まとめて売り出すよう求めた。

食べ残しを禁じる法律とは別に、「食糧安全保障法案」も2021年中に審議する方針 。

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