中外製薬の抗リウマチ薬「アクテムラ」、FDAが新型コロナウイルス治療薬として緊急使用許可

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中外製薬は6月25日、同社が開発した抗リウマチ薬「アクテムラ(tocilizumab)」が、新型コロナウイルスの治療薬として、米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を取得したと発表した。

日本では年内の承認申請に向けて厚生労働省と協議している。

今回、中外製薬の親会社Rocheの100%子会社のGenentechがFDAから緊急使用許可を取得した。

RocheはGenentechの55.8%を保有していたが、2009年に100%子会社とした。

対象は全身性副腎皮質ホルモン(corticosteroids)を投与されており、酸素補給、非侵襲的または侵襲的人工呼吸器、または対外式膜型人工肺(ECMO)を必要とする入院中の成人および小児患者(2歳以上)となっている。

副腎皮質ホルモンには、デキサメタゾン、パラメタゾン、ベタメタゾンなどがある。

アクテムラは、炎症を起こす蛋白質の働きを阻害する抗体医薬品。抗リウマチ薬としては各国で承認済み。新型コロナへの効果も期待されるとして、多くの臨床現場で使用されている。

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中外製薬は2021年3月11日、COVID-19治療薬候補「アクテムラ」(Tocilizumab)の海外での試験で、主要評価項目を達成しなかったと発表した。
他に、主要評価項目を達成しなかった例と、主要評価項目を達成した例がある。

2021/3/12 中外製薬のCOVID-19治療薬候補「アクテムラ」、海外で効果確認できず 

一方、英政府は2021年1月7日、「アクテムラ」(Tocilizumab)と「サリルマブ」が新型コロナウイルス感染症の治療にも有効だと発表した。1月8日から、英国全土の病院の集中治療室に入院中のコロナ患者を対象に投与する。コロナの治療薬としては抗炎症薬「デキサメタゾン」などに続くものとなる。

「サリルマブ(Sarilumab) 」(Sanofi の製品名 ケブザラ)はヒト型モノクローナル抗体で、アクテムラに次ぐIL-6阻害薬。
炎症を引き起こすIL-6の活性を抑制することで関節の炎症を改善し、全身症状(関節の破壊や変形から生じる機能障害、疲労、骨粗鬆症など)を緩和することが期待される。

「デキサメタゾン」は抗炎症作用のある一般的なステロイド剤で、英オックスフォード大が2020年6月16日、新型コロナウイルスの重症患者の死亡率を減らすのに効果的だとする臨床試験の結果を公表した。これを受けて英国の保健・社会福祉相は同日、新型ウイルス感染症の標準治療に午後からデキサメタゾンを含めると表明した。

日本の厚生労働省は、2020年7月に新型コロナウイルス感染症の診療ガイドラインに「デキサメタゾン」を新たに掲載した。

英政府が支援した臨床研究では、集中治療室の患者に対して抗炎症薬「デキサメタゾン」の投与など通常の治療をした場合の死亡率は35.8%だったのに対し、搬送から24時間以内にトシリズマブなども追加で使った場合は27.3%まで低下した。

2021/1/9 英政府、「中外製薬のリウマチ治療薬が新型コロナに有効」

米国立衛生研究所(NIH)は2021年3月5日付で、新型コロナウイルス感染症の治療指針を更新し、重症患者に、関節リウマチなどの治療薬「トシリズマブ」を、既にコロナ治療で広く使われているステロイド系抗炎症薬の「デキサメタゾン」と併用して投与することを推奨した ことが判明した。

2021/3/16 米国立衛生研究所、コロナ重症治療でアクテムラとデキサメタゾンの併用を推奨

上記の英米の研究結果で、デキサメタゾンとアクテムラの併用が効果があることが判明している。

今回、FDAはデキサメタゾン等の副腎皮質ホルモンを投与され、酸素補給や人工呼吸器等を必要とする入院患者にている患者へのアクテムラの投与を承認した。

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