厚生労働省は9月1日、 新型コロナウイルスの変異株でコロンビア由来の「ミュー株」が、6月と7月に空港検疫で感染が判明した2人から確認されたと明らかにした。
世界保健機関(WHO)は8月30日、1月にコロンビアで最初に確認された 新型コロナウイルス変異株「ミュー(Mu:μ)株」を「注目すべき変異株(VOI)」に分類したと明らかにした。ミュー株にワクチン耐性を持つ恐れのある変異があると説明した上で、さらなる研究によって理解を深める必要があると強調した。
本年1月にコロンビアで初めて確認されて以降、南米諸国と欧州など30か国以上で感染が報告されている。
厚労省はWHOによるVOI指定を受け、国立感染症研究所による検査結果を改めて集計、今回の2例が確認された。
6月26日にアラブ首長国連邦から成田空港に到着した40代女性と、7月5日にイギリスから羽田空港に到着した50代女性で、いずれも無症状。
検疫以外では現時点で確認されていないという。
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WHOによる「懸念すべき変異株(VOC)」と「注目すべき変異株(VОI)」は、2021/7/1のブログで報告している。
今回の改訂版(前回分に追加、変更)は下記の通りだが、注目点は次の通り。
・VOCの4変異株は据え置き
・ミュー変異株をVOIに追加 今後、VOCに変更するかどうか。
・ラムダ株をVOIに据え置き 危険度が少ない?
デルタ株は2021年4月27日にはまず「注目すべき変異株(VОI)」に分類、その後、感染力の強さが確認され、5月11日に「懸念すべき変異株(VOC)」に分類を変更した。
それに対し、ラムダ株は6月14日に「注目すべき変異株」(VOI)に指定したが、そのまま据え置いた。
・イプシロン、ゼータ、シータをVOIから除外:注目不要と判断
WHO 判断 |
WHO label | 最初に発見 | 変異 | |||
VOC: Variants of Concern |
アルファ(α) | VOC-202012/01 ( B.1.1.7) |
2020/9 英国 |
従来株よりも感染しやすく(1.32倍)、 重症化しやすい可能性あり。 |
23箇所の変異 H 69/V70欠失、Y144欠失、N501Y、A570D、P681H等 |
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ベータ(β) | 501Y.V2 (B.1.351) |
2020/5 南ア |
従来株よりも感染しやすく(1.5倍)、 免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。 |
N501Y (easily gain access to our cells) E484K, K417N (affect our immune system) 242-244欠失 |
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ガンマ(γ) | 501Y.V3 |
2020/11 ブラジル |
従来株よりも感染しやすく(1.4~2.2倍)、 免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。 |
N501Y (easily gain access to our cells) E484K, K417N (affect our immune system) |
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デルタ(δ) | B.1.617.2 | 2020/10 インド |
感染力 1.95倍 | L452R | ||
VOI: Variants of Interest |
除外 | イプシロン(ε) | B.1.427およびB.1.429 | 2020/3 米国 |
従来株よりもやや感染しやすく、一部治療薬の効果を低下させる可能性あり。 | L452R |
ゼータ(ζ) | P.2 |
2020/4 ブラジル |
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イータ(η) | B.1.525 | 2020/12 多数国 |
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除外 | シータ(θ) | P.3系統 |
2021/1 フィリピン |
従来株よりも感染しやすく、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。 | N501Y E484K |
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イオタ(ι) | B.1.526 | 2020/11 米国 |
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カッパ(κ) | B.1.617.1 |
2020/10 インド |
L452R、E484Q、P681R | |||
ラムダ(λ) | C.37 | 2020/8 ペルー |
感染力の強さに加え、ワクチン効果が最悪で 1/5落ちる。 南米のほか米国やドイツなど計29カ国で感染が確認 |
490番目のまったく違う新しいところに変異 | ||
ミュー(μ) | B.1.621 | 2021/1 コロンビア |
ワクチン耐性を持つ恐れ |
ソース https://covdb.stanford.edu/page/mutation-viewer/#sec_delta
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