Ford Motor、114億ドルを投じ、電動ピックアップトラックと3つの電池工場を建設

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Ford Motorは9月27日、114億ドルを投資し、米国に電動ピックアップトラック F-150 Lightning Electric Truckの組立工場と、3つの電池工場を新設すると発表した。

2025年に操業を開始する予定。

3つの電池工場については設立を交渉中のFord とSK InnovationのJVのBlueOvalSKが建設、運営する。今後詳細を詰め、所定の手続きを経て設立する。

バッテリー工場に両社がそれぞれ44億5000万ドルずつを投資し、組立工場にはFord単独で25億ドルを投資する。

テネシー州Stanton にBlue Oval Cityを建設する。電動ピックアップトラック「F-150 Lightning Electric Truck」の組立工場と、新JVのBlueOvalSKのリチウムイオン電池工場及び主要サプライヤーの拠点とリサイクル施設が建設される。投資額は56億ドル。

ケンタッキー州Glendale には58億ドルを投じてBlueOvalSK Battery Parkを建設する。新JVのBlueOvalSKが2つの電池工場をつくる。

電池工場の年間能力はテネシー工場が43GWh、ケンタッキー工場が86GWhで、合計129GWhとなる。フル稼働時にEV約220万台のバッテリーを供給できる。

SK Innovationとしての米国での年産能力は、同社が単独で建設中の21.5GWh(2022年量産開始)と合わせ150.5GWhとなる。

これに対し、LG Energy Solutionは単独でミシガン州Hollandに5GWhを持ち、GMとのJVでオハイオ、テネシーに各35ギガワット時(合計70ギガワット時)を建設中である。
同社は更に、
2025年までの5年間で米国に45億ドル以上を投資、少なくとも2工場を建設、能力を70GWh増やすと発表した。全て完成すると145GWhとなる。

2021/3/18 LG Chem、米国で車載電池増産


Fordは9月22日、バッテリー原料リサイクル企業のRedwood Materialsと提携し、 バッテリーリサイクル工場を建て、電気自動車のバッテリーサプライチェーンをつくると発表した。

Redwood Materialsは、Teslaの元CTOのJB Straubelが創業したリサイクルスタートアップ企業で、バッテリーセルの製造過程で発生する廃棄物や、携帯電話のバッテリー、ノートパソコン、電動工具、モバイルバッテリー、スクーター、電動自転車などの家電製品をリサイクルしている。Panasonicや、Envision AESCの米国のバッテリー工場も利用しているという。創業者のJB Straubelは、廃棄されたバッテリーや使用済みのリチウムイオンセルから、再利用可能な貴重鉱物資源を回収することで、同社を「Virtual Mining」(ビットコインのマイニングでなく、仮想鉱山業)の大手にすることを目指している。

今回、FordはRedwoodに5000万ドルを出資する。

FordはBlue Oval Cityに今後大量に投入される電気自動車のためのクローズドループ・システムを構築する。まず、 電池リサイクルでニッケルやコバルト、リチウム、銅などの材料を平均で95%以上回収、回収した材料は、負極の銅箔や正極活物質として再び電池に使用する。これにより、海外で採掘されているリチウムやコバルト、ニッケルなどの原材料を米国内で調達できるようにする。

同社は「当然ながら、バッテリーを製造する際に現在使用している多くの原料の輸入依存度を下げることにもつながる。それによって原材料の採掘も減らすことができる。これは今後、この分野の規模を拡大していく上で、非常に重要なこと」としている。

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