公取委、原油高転嫁受け入れ拒否は「下請法違反の恐れ」 

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公正取引委員会は11月24日、下請け企業への不当なしわ寄せを防ぐための対策を改定した。

原油高で納入コストが大幅に上がったのに、発注元が一方的に単価を据え置くことは、下請法が禁じる「買いたたき」の恐れがあるとの見解を周知する。コストを価格に適切に反映できる環境を整える。

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公取委は9月8日、最低賃金の引上げ等に伴い、買いたたき、減額、支払遅延などといった中小事業者等への不当なしわ寄せが生じないよう、「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を策定した。

最低賃金の改定を含む労務費や原材料費等の上昇などが下請価格に適切に反映されることを促している。

今般、原油価格高騰に伴いエネルギーコストが大幅に上昇した下請事業者から単価の引上げを求められたにもかかわらず、親事業者が一方的に従来どおりに単価を据え置いて発注することについても、下請法上の「買いたたき」に該当するおそれがあることから、今般、新しく下記のQ&Aを作成した。

下請取引に対する監督体制の強化を更に進めていく。今後も引き続き、これらの成果を踏まえつつ、更なる取組を検討・実施していく。


原油価格の高騰に関する下請法Q&A

Q: 原油価格が高騰しているが、従来どおりの単価で発注することは問題ないか。

A: 原油価格の高騰に伴いエネルギーコストが大幅に上昇した下請事業者から単価の引上げを求められたにもかかわらず、親事業者が一方的に従来どおりに単価を据え置いて発注することは、買いたたきに該当するおそれがある。

下請代金支払遅延等防止法  第4 親事業者の禁止行為
 5. 買いたたき (2) 次のような方法で下請代金の額を定めることは、買いたたきに該当するおそれがある。
 ウ 原材料価格や労務費等のコストが大幅に上昇したため、下請事業者が単価引上げを求めたにもかかわらず、一方的に従来どおりに単価を据え置くこと。

〈製造委託、修理委託における違反行為事例〉
5-3 下請代金を据え置くことによる買いたたき
(1) 親事業者は、親事業者から下請事業者に対して使用することを指定した原材料の価格や燃料費、電気料金といったエネルギーコスト、労務費等のコストが高騰していることが明らかな状況において、下請事業者から従来の単価のままでは対応できないとして単価の引上げの求めがあったにもかかわらず、下請事業者と十分に協議をすることなく、一方的に、従来どおりに単価を据え置くことにより、通常の対価を大幅に下回る下請代金の額を定めた。

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