三菱エンジニアリングプラスチックの改組と三菱ガス化学の体制強化

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三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は1994年3月1日に三菱ガス化学と三菱化成(現三菱ケミカル)の折半出資によって設立された。

両社が従来行ってきたエンジニアリングプラスチックス事業を継承し、一体化することを目的とした会社で、5大エンジニアリングプラスチックスをすべて網羅する。

ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、高性能ポリアミド樹脂(PA樹脂)、ポリアセタール樹脂(POM樹脂)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)及び変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)

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三菱ガス化学と三菱ケミカルは2月8日、MEPの改組を発表した。

1.MEPの出資比率の変更

2023年4月3日付で、三菱ガス化学 75%、三菱ケミカル 25% とする。

これにより、MEP が 60%を出資するタイの THAI POLYCARBONATE CO., LTD.は三菱ガス化学の連結子会社に該当することとなる。

2.MEPをPC 製品の開発・製造・販売会社とし、他の製品は親会社が引き取る。(吸収合併する。)

ポリカーボネート樹脂(PC樹脂) 三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP
特殊PC(XANTAR™を含む) 三菱ケミカル
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)
ポリアセタール樹脂(POM樹脂) 三菱ガス化学→グローバルポリアセタール(GPAC)
変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)
高性能ポリアミド樹脂(PA樹脂)コンパウンド

三菱ケミカルは福岡事業所にて高品質 PC 製品の製造を受託する。


なお
三菱ガス化学は2月8日、同社のポリアセタール樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂・高性能ポリアミド樹脂コンパウンドの販売・研究及び統括管理に関する事業を2022年4月1日付で完全子会社であるグローバルポリアセタール(GPAC)へ承継することを決めたと発表した。

グローバルポリアセタール㈱は2020年12月25日付で三菱ガス化学 100%出資で設立

三菱ガス化学は、ポリアセタール(POM)事業を「差異化事業」に位置付け、競争優位性のある事業として更に強化していく方針だが、POM 事業体制を更に見直し、完全子会社である GPAC に POM 事業の統括機能を付与し、グループの POM 事業に係る生産・販売・開発を一体的に運営する。

なお、POM事業の合理化の一貫として、既に下記を実施している。

1) 韓国ポリアセタール事業再編 (2020年12月9日 発表)

三菱ガス化学とCelanese Corporationは、ポリアセタールを中心とするエンジニアリングプラスチックスの製造販売のJV 韓国エンジニアリングプラスチックス(KEP)を再編し、運営体制を見直すことについて合意した。

出資比率:三菱ガス化学 40%、三菱商事 10%、Celanese 50%(1999年に暁星から取得)
能力:三菱ガス化学技術による
世界最大規模のPOM生産能力(年間生産能力14万トン、全6系列)

このたび、KEPをPOMの製造を主として行う製造会社とし、三菱ガス化学とCelanese Corpが出資比率に応じてKEPから製品を引き取り、両社がそれぞれ全世界向けに販売する。

三菱ガス化学はKEP製品を販売する新会社を韓国に設立する。

2) 四日市工場におけるポリアセタール生産停止(2021年6月1日発表)

2023年9月末を目途として、四日市工場におけるポリアセタール(POM)の生産(年間2万トン)を停止する。

四日市工場では、1981年以来、40年にわたってPOMを生産してきたが、プラント規模が小さく設備の老朽化が進む中で、厳しい採算を余儀なくされていることから、タイ拠点に生産を集約する。

三菱ガス化学は、四日市工場のほか、タイ・韓国(上記)・中国に生産拠点を有している。

タイ:Thai Polyacetal Co,. Ltd.Map Ta Phut

出資:三菱ガス化学 73.55%、TOA Chemical 26.45%
能力:
100千トン

中国:宝泰菱工程塑料(南通)有限公司

出資:ポリプラスチックス 70.1%、三菱ガス化学、韓国Engineering Plastics、チコナ 計29.9%
能力:60千トン

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