中国―欧州鉄道、対ロ制裁下も運行

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NNA ASIAによると、ロシアに対する制裁が増えるなか、中国からロシア、ベラルーシを経由して欧州に至る中欧班列 (Trans-Eurasia Logistics) は3月4日時点で運航に影響がないことが分かった。

ウクライナ経由でハンガリー・ルーマニアに向かう支線については、ウクライナ国内の鉄道施設が破壊されたため、迂回措置が取られているが、中国からカザフスタン・ロシア・ベラルーシを経てEU玄関のポーランドに至るメインルートについては、中国側からも欧州側からも運行を停止したという情報はないという。

東洋経済によると、「中欧班列の98%以上はロシア、ベラルーシ、ポーランドを経由して西ヨーロッパに向かうルートを走っており、ロシアのウクライナ侵攻の影響は現時点では限られている。


欧州と中国間の輸送を止めても、ロシアは困らず、困るのは欧州と中国であるからだろう。ロシアとベラルーシ向け貨物は当然、禁止品目がないかチェックすると見られる。
逆に、ロシア側も中国を困らすことはしないだろう。

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2008年1月に北京とドイツのハンブルグを結ぶ路線が生まれた。中国鉄道とTrans-Mongolian鉄道、Trans-Siberian 鉄道を使い、中国から蒙古、ロシア、ベラルーシ、ポーランド経由でドイツまでの10,000kmを15日で走る。2011年3月に正式に営業を開始した。

2011年に重慶とドイツ西部の工業都市 Duisburg を結ぶ貨物鉄道「渝新欧鉄道(Yuxinou Railway)」が生まれた。重慶から北上して西安から Duisburgに到る。

2014年12月9日に中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「義新欧鉄道("Yixinou Railway")」の第1号列車が、スペインのマドリードに到着した。浙江省・義烏市を出発し、新疆ウイグル自治区阿拉山口の国境で中国を出国し、カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランド、ドイツ、フランスを通過して、21日後にマドリードに到着した。

2014/12/13 中国と欧州を結ぶ国際貨物列車の第三路線が開通 

2016年6月以降は中国各都市から欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ貨物列車便を「中欧班列」という統一ブランドで総称し、中国各都市と欧州23カ国180都市を結んでいる。


中国国家鉄路集団によると、中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の運行本数が2022年1月29日に累計で5万本を突破した(「人民日報」1月30日)。

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