エンビジョンAESC、米国に2番目の電池工場建設

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エンビジョンAESCグループは4月14日、米ケンタッキー州Bowling GreenのKentucky TransparkでEV向けリチウムイオン電池の新工場を建設すると明らかにした。
投資額は20億ドルで、生産能力は立ち上げ時で年30ギガワット時を想定、年内にも着工し、2025年の稼働を目指す。

従来よりも高性能な車載電池を独自動車大手Mercedes-Benzグループなど、複数の自動車世界大手へ供給する。

中国の遠景科技集団は2022年3月16日、傘下の車載電池メーカーのエンビジョンAESCが、ドイツの高級車大手Mercedes-Benzと車載電池の供給契約を結んだと発表した。

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エンビジョンAESCエナジーデバイス(Envision AESC Energy Devices Ltd.)は2019年4月1日、事業を開始した。

中国の再生可能エネルギー関連企業の Envision Group(遠景能源集団)が80%、日産自動車が20%を出資する。

日産自動車は2018年8月3日、日産が保有するバッテリー事業およびバッテリー生産工場を、再生可能エネルギー事業者である中国のEnvision Group(遠景能源集団) に譲渡する契約を締結したと発表した。

日産自動車は当初、2017年8月8日に中国の投資会社GSR Capitalに譲渡する契約を締結したと発表したが、その後中止し、Envision Groupに売却した。

日産が売却したオートモーティブエナジーサプライ(AESC)を前身とする新会社エンビジョンAESCジャパン、日産がエンビジョングループに譲渡した米英のバッテリー会社や、NECが同グループに売却した電池の電極を製造するNECエナジーデバイスも加わる。

2017/8/15 日産自動車とNEC、バッテリー事業を譲渡


エンビジョンAESは2019年4月1日、中国の無錫に新工場を開設すると発表した。2020年に稼働し、2023年をめどに生産能力を20ギガワット時に引き上げる。2019年内に開発拠点も新設する。

AESCジャパンは2021年8月4日、茨城県の茨城中央工業団地に新工場を建設すると発表した。投資額は500億円。茨城県の20億円の補助金などを活用する。
生産能力は年間6ギガワット時で、将来的には生産能力年間18ギガワット時まで引き上げる。10月に着工し、2024年に量産開始を目指す。

エンビジョンAESCとRenault Groupは2021年6月、戦略的提携を結び、フランスに大規模バッテリー工場「ギガファクトリー」を建設すると発表した。

2024年に9GWh、2030年までに24GWhのバッテリー生産能力を持つギガファクトリーをフランスのDouaiに建設する。最大20億ユーロを投資して、将来の新型EVのルノー『R5』を含めたEV向けに、最新かつコスト競争力のあるバッテリーを生産する。

別途、Renault はフランスのスタートアップ企業Verkorに20%出資、フランスのDunkerque市に2026年までにギガファクトリーを稼働させる。生産能力は2025年に16ギガワット時(GWh)、2030年に50GWhとなる

日産自動車は2021年7月1日、英国Sunderland工場の隣接地のInternational Advanced Manufacturing Parkに、エンビジョンAESCが大規模バッテリー工場「ギガファクトリー」を建設することに協力すると発表した。

稼働当初、9GWhで生産を開始する予定で、2030年までに最大25GWhへ生産能力を増強、最終的には、35GWhまで拡張することを想定している。

同社の能力(現状及び計画)は下記の通り。

日本 神奈川

2.6GWh/yr

英国 Sunderland 1.9GWh/yr
米国 Smyrna/TN 3.0GWh/yr
中国 無錫 20GWh/yr
日本 茨城 6→18GWh/yr
米国 Kentucky 30GWh/yr
フランス Douai 9→24GWh/yr
英国 Sunderland 9→25→35GWh/yr


これらの計画で、同社の世界の能力は約150GWh となり、2026年までに300GWhにするという目標に向かい前進する。

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