中国、5月から石炭の輸入暫定税率をゼロに

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中国国務院関税税則委員会は4月28日、「エネルギーの供給保障を強化し、質の高い発展を推進するため」、2022年5月1日から2023年3月31日まで、すべての石炭に対して税率がゼロとなる輸入暫定税率を適用すると発表した。

現在の石炭関税は次の通りで、これらが全てゼロとなる。

豪州、インドネシアはゼロ

その他の国は、無煙炭とコークスは3%、その他は 3、5、6%
(モンゴル、ロシア、カナダ、米国など)

業界関係者は、「エネルギーは経済社会発展の基礎的な支えであり、輸入石炭の関税を調整することは、最近の複雑な中国内外の情勢に対応し、石炭の輸入を促進し、石炭の供給保障を強化する上でプラスになるものだ」と指摘した。

ただ、 インドネシア産はもともと関税がゼロであり、国内生産が過去最高水準にあり、海上輸送運賃が高騰しているため、輸入関税の引き下げは、中国の石炭輸入に大きく影響しない見通し。

なお、豪州産石炭については、次の事情がある。

豪中関係は豪州が中国の新型コロナウイルスの対応について国際調査を要請した後などに急速に悪化した。

中国はその後、牛肉や大麦、ワインなど豪州産品の輸入規制措置などを相次いで打ち出した。

2020/12/20 中国・豪州の関係悪化、豪州が中国をWTOに提訴 

中国の国営紙「環球時報」は2020年12月、中国の国家発展改革委員会が国内の発電所に対し海外産の石炭調達を豪州産を除外すること、他については制限なく認めるとの決定を下したと伝えた。

中国政府は、公式にはオーストラリアからの輸入を停止していると発表していない。

しかし、中国の2021年1~9月の石炭輸入量は、前年同期比14.8%減の1億4,235万トンで、2013年から2020年まで8年連続で最大の輸入元(2020年は全体の25%)だったオーストラリアからの輸入が、2020年秋ごろから急激に減少、2020年12月以降、ゼロになっている。

貿易業界幹部によると、中国政府による2020年10月の非公式な輸入禁止を受け、税関を通過していない100万トンの豪州産石炭が中国沿岸部の保税倉庫に何カ月も保管されていた。

オーストラリア産石炭輸入が禁止され、習近平国家主席の「環境に優しい低炭素」政策も加わり、中国では石炭不足事態が起こった。
中国北東部の電力難につながり、一部地域では工場の稼動が停止し、家庭用の電気供給も制限された。

この結果、2021年9月に中国当局が豪州産石炭の「通関を許可する」という信号を送ったとされ、保税倉庫から放出された。(全体の100万トンは1日分にしか相当しない)

但し、中国政府は豪州産石炭の輸入再開には踏み切っていない。

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