東芝、取締役候補を発表

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東芝は5月26日、取締役候補13名を発表した。当初、5月13日に公表を予定していたが、人選を巡って「追加の時間を要する」として急遽延期していた。

社外取締役に主要株主で米資産運用会社Farallon Capital と米Elliott Investment Management の2社から幹部を1人ずつ受け入れる。物言う株主(アクティビスト)の幹部が直接取締役を務めるのは珍しい。

取締役会議長には、公認会計士で、M&A助言会社Houlihan Lokey会長の渡辺章博氏を提案する。

暫定的に取締役会議長を務めている前社長の綱川智氏と前副社長は取締役を退任する。代わりに現在の社長、副社長を取締役候補とした。

東芝は2022年3月1日、同日付での代表執行役の異動を発表した。

2人しかいない社内取締役が社長、副社長を退任し、新たに社内から3人の代表執行役(いずれも取締役ではない)を選任した。

2022/3/2 東芝、綱川社長が退任 

現在の社外取締役6名は全員留任、新たに社内2名(現社長、副社長)のほか、社外取締役5人を候補とした。

全体で本来の13名で、社内2名、社外11名となる。 事業経験者は非常に少ない。


東芝は4月7日、取締役会を開き、社外取締役で構成する特別委員会を設置し、株式非公開化を含む戦略的選択肢を検討することを決めた。買収を検討する投資家との交渉にも関与し、最良の非公開案を特定するという。

既報の通り、米投資ファンドのBain Capitalが東芝の買収を検討しており、株式の非公開化を前提にした提案の策定を進めていることが判明している。

2分割案を主導してきた戦略委員会は解散、2分割案を前提としていたエレベーター事業等の売却手続きも中断する。

2022/4/8 東芝、2分割案の検討中断、非公開化も検討 エレベーター事業等の売却を再検討

4月に非公開化を含めた再編策の公募を始め、5月30日に締め切る。KKRとBlackstoneが連合を組むとされる。ほかにBainCapitalとカナダのBrookfieldが有力視される。

産業革新投資機構が東芝の買収を検討していることが判明した。

今回、アクティビスト(物言う株主)から新たな取締役候補2名を選んだことから、非公開化に向けて大きく舵を切ったと見られている。

付記 2名の候補については、綿引万里子 取締役が反対、初めて多数決で決めた。

付記 6月28日の総会では、留任6人 と、アクティビスト(物言う株主)からの新たな取締役候補2人を含む新任7人、合計13人 全員が承認された。
しかし、綿引万里子 取締役はこれを不満とし、直後に辞表を出した。

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2021年6月25日の定時株主総会で、永山治取締役会議長と監査委員会の小林伸行委員の再任案が否決された。

当初の13人の候補のうち、2人を事前に下したが、更に2人が否決された。

また、選任された新任のジョージ・オルコットが辞任し、取締役は8人となった。

2021/6/15 東芝、異例の取締役候補者変更 

取締役 社外 新任   2022/3/1 今回
 智  

社長

社長辞任

取締役退任

永山 治 否決   元 中外製薬
太田 順司 撤回   元 新日鉄
小林 伸行 否決   CPA
山内 卓 撤回   元 三井物産
Paul J. Brought   元 KPMG 留任
Ayako Weissman   元 投資会社 留任
Jerry Black   イオン顧問 留任
George Zage Ⅲ   元  Farallon 留任
畑澤 守 代)副社長 副社長辞任 退任
綿引 万里子 元 裁判官 留任
George Olcott 〇→辞任 元 投資銀行
橋本 勝則

元 デュポン 留任
合計 13人→8人      

留任6人

新任取締役候補

社外
辺   取締役会議長 (CPI) Houlihan Lokey会長
島田 太郎 代)社長 (2022/3/1より)
柳瀬 悟郎 代)副社長 (2022/3/1より)
月  元 IHI
  (CPI)
井  Farallon Capital Japan
Nabeel Bhanji Elliott Investment Management
合計 留任6人、新任7人、合計13人

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