K-Dow Petrochemicals の危機

| コメント(0)
<p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p>

ダウとクウェートの Petrochemicals Industries Co. PIC)は12月1日、50/50の合弁会社 K-Dow Petrochemicals の設立契約と付随契約に調印したと発表した。2009年1月1日に営業を開始する。   

2008/12/3  ダウとクウェートのPIC、石油化学合弁契約締結

これに対して、クウェートの国会の会派 Popular Action Bloc の議員が問題視し、反対運動を展開しており、政権の維持も疑問視されるようになった。

設立契約ではPICは持分取得で75億ドルを支払うこととなっているが、反対派は、グローバルな経営危機により、ダウの市場価値は昨年の510億ドルから170億ドルに下落しており、対象となる K-Dow Petrochemicals の事業の価値も低下しているとし、この取引は国の資金の浪費であると主張する。

K-Dow Petrochemicals や新製油所計画のような大規模プロジェクトについては、十分なFSを実施しprofessionalism)、すべての情報を公開(transparency)すべきだとする。

「首相を問い詰め、責任を取らす」としており、正式発足の来年1月1日までに契約を取り消すことを要求している。

契約では、契約取り消しの場合は25億ドルのペナルティが求められる。
   

ーーー

クウェートでは国営石油会社(KNPC)が、クウェート市の南85kmの Al-Zour 地区に日産615千バレルの製油所を建設することを決めたが、同じ反対派がこれにも反対しており、会計検査院がfeasible ではないと述べたことから、キャンセルされる可能性が強い。       

2008/5/22 中東で2つの大型製油所計画

   

K-Dow Petrochemicals に関しては石油相がクウェートの石油化学産業にとって戦略的重要性を持つものと反論した。十分な検討の後に適正な手続きで決定しており、契約を実行すると述べた。

しかし多くの議員がPopular Bloc の意見に賛同し、今やJVを進めるか、取りやめるかの選択となった。
クウェート政府は23日、この問題で臨時閣議を開いたが、最終結論は出ていない。

    付記 ダウとクウェートの石油化学合弁、一転破談 

ーーー

ダウのCEO Andrew Liveris 24日、声明を発表した。
http://news.dow.com/dow_news/corporate/2008/20081224a.htm

2005年にダウのトップとなって以来、最も誇りに思うのはクウェートのパートナーとの間の友好的関係だ。
1990年代以降、4つのJVを設立したが、すべて成功した。

最近、5つ目のJVK-Dow Petrochemicalsが長期的にクウェートにとり利益があるかどうかに関し、議論をよんでいる。
これに関して以下のとおり、回答したい。

1)交渉は完全に、公正に行われた。
2)取引は十分に価値のあるもの。
   
SABICGE Plastics 買収よりも約30%安い。
   
PICの支払いは60億ドル(75億ドル マイナス 第1四半期の配当15億ドル)で、当初(1年前)の発表より35億ドル安い。
   現在の金融危機ではどの会社の市場価値は減っているが、市場価値と資産価値は異なり、
K-Dowの資産価値は大きい。
3)
K-Dow Kuwait にとって価値あり。
4)ダウと
Kuwait の友好関係
5)
K-Dowの製品は日常生活に役立つもの


* 総合目次、項目別目次は
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメントする

月別 アーカイブ