使用済み核燃料の処理

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小泉元首相の原発に関する発言が、11月12日の日本記者クラブでの講演の以後、盛んに取り上げられている。

原発即時停止の理由は、「放射性廃棄物、核のゴミをきちんと危険のないよう保管する場所が、日本にはどこにもない」というもの。

2013/11/1   小泉元首相の「脱原発」論 


これに対する批判も多い。

安井至氏も「市民のための環境学ガイド」で述べている。

B君:しかし、小泉さんの言う「使用済み核燃料の問題」は、なかなかの難問だ。
A君:その通りですが、すでに相当大量の使用済み核燃料を抱えているので、これから多少増えたところで、本質的な差がでるとは思えないですね 。

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いろいろの資料から推定した使用済核燃料の状況は以下の通り。(残り年数以外は単位:トン) 

    貯蔵容量 貯蔵量  1回当たり取替量 同年間換算 残り年数
北海道電力  1,000 400 50

37.5

16.0

東北電力 東通 440 100 30 22.5 15.1
女川 790 420 60 45 8.2
東京電力 福島第一 2,100 1,960 140 105 1.3
福島第二 1,360 1,120 120 90 2.7
柏崎刈羽 2,910 2,380 230 172.5 3.1
日本原子力
発電
東海第二 440 370 30 22.5 3.1
敦賀 860 580 40 30 9.3
中部電力 浜岡 1,740 1,140 100 75 8.0
北陸電力 志賀 690 160 50 37.5 14.1
関西電力 美浜 680 390 50 37.5 7.7
高浜 1,730 1,160 100 75 7.6
大飯 2,020 1,430 110 82.5 7.2
中国電力 島根 600 390 40 30 7.0
四国電力 伊方 940 610 50 37.5 8.8
九州電力 玄海 1,070 870 90 67.5 3.0
川内 1,290 890 50 37.5 10.7
合計 20,660 14,370 1,340 1,005 6.3
(除く 東電・福島) (17,200) (11,290) (1,080) (810) (7.3)
日本原燃 六ヶ所村 3,000 2,945      
東電/日本原子力 むつ市中間貯蔵施設 3,000      


1) 同一原発内では貯蔵能力を融通できるとして計算。
2) 六ヶ所村の保管分の返却がない(現状通り保管)とした。

東京新聞の記事(2012年9月4日)では残り年数はもっと短くなっている。

東京電力柏崎刈羽、原電の東海第二、九州電力の玄海が特に短い。

このうち、柏崎刈羽と東海第二はむつ市の中間貯蔵施設が完成したため、これを利用できる。
但し、福島第一、第二の廃炉を進める場合、使用済み核燃料をいつまで福島のプールに置いておけるのかという問題がある。

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福島第一原発で廃炉に向け、4号機の使用済み燃料プールから核燃料の取り出しを始めた。

定期検査中だった4号機は、福島第一で最も多くプールに燃料を保管している。事故による爆発で大きな被害を受けたため、原子炉建屋の耐震性を懸念する指摘もある。

使用済燃料プール内の燃料ラックから1体ずつ取り出し、構内用輸送容器(キャスク)へ装てんして共用プール建屋のプール内へ移送し、ここで集中的に保管する。

 



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