米エネルギー省、西海岸からの非FTA締結国向けLNG輸出を承認

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米エネルギー省は3月24日、Jordan Cove Energy Project, L.P. に対し、オレゴン州Coos Bay のJordan Cove LNG Terminal からの非FTA締結国向けのLNG輸出を承認した。承認数量は日量0.8Bcf (年間600万トン)で期間は20年間となっている。


カナダと米国の天然ガスを液化し輸出する計画で、顧客と既に非拘束の契約を締結しており、年末までに全量について契約を締結するとしている。

Jordan Cove Energy Project, L.P.はカナダのCalgaryに本拠を置くエネルギー関連インフラ投資会社のVeresen Inc. (旧称 Fort Chicago Energy L.P.)が経営する。

オレゴン州Coos Bay の北方に16万m3のLNG貯蔵タンク2基と年産600万トン(将来900万トンへの拡大予定)の液化設備を建設する。

合わせて、カナダ及びRocky Mountain地区の天然ガスのハブであるオレゴン州Malin とJordan Cove LNG との間にPacific Connector Gas Pipelineを新設し、カナダからのWillimas Northwest Pipeline、TransCanada Pipeline、Rocky Mountain地区からのRuby Pipelineと接続する。

操業時はカナダ産天然ガスが70%、米国産天然ガスが30%で、最終的には比率を 65/35 とする。

同社では、アジア太平洋市場のLNG需要は2025年までに年3億トンを超えると見ており、Jordan Coveはアジア太平洋及び南米市場のほとんどに最短で、運賃が最も安いと自負している。

日本向けLNG運賃は以下の通りで、Jordan Cove とKitimat は近接している。

  Kitimat(カナダ西海岸)   1.24 $/百万BTU 
  US Gulf Coast        2.96  
  Cove Point(東海岸)   3.07  
         
  Gordon(豪)   1.17  
  Gladstone(豪)   1.21  
  Ichthys(豪)   1.23  
    資料:Platts LNG Forum, Tokyo 2012/9/25  

付記 同資料によると米国東海岸から欧州への運賃は 1.05$

参考 LNG日本着価格は、天然ガス価格+液化費用(3ドル程度)+運賃となる。
    天然ガス価格は現在は4ドル程度だが、6ドル程度までアップすると見られている。
    仮に天然ガスを6ドルとすると、
US Gulf Coastからでは12ドル、西海岸からでは10.3ドルとなる。
    現在の日本の輸入価格は16ドル程度。
(百万BTU当たり)


これまでの非FTA締結国向けの輸出承認は下記の通りで6ヶ所7件(Freeport 追加を含む)となっている。

会社名 立地 概要
Cheniere Energy

本事業のため
Blackstoneが出資

Sabine Pass LNG Terminal
(Cameron Parish, LA)
承認:2011/5(FTA締結国向けは 2010/9)
数量:2.2 Bcf/d(年間1600万トン)
期間:20年間
輸出契約:
   BG Group   550万トン
   Gas Natural (スペイン)   350万トン
   Gail(インド)   350万トン
   Kogas(韓国)   350万トン
   合計    1600万トン

  注. 承認時は韓国はFTA未発効

2012/2/24 米国からのLNG輸入問題
Freeport LNG

株主:
Michael Smith
Zachry
Dow(輸出には不参加)
大阪ガス

Freeport LNG Terminal
(Quintana Island, TX)
承認:2013/5(FTA締結国向けは 2011/2)
数量:1.4 Bcf/d(年間900万トン)
   
1.8 Bcf/d (年間1200万トン)(2013/11増量承認)
期間:20年間
液化開始:2018年(追加分2019年)
輸出契約:
   大阪ガス   220万トン
   中部電力   220万トン
   BP Energy   440万トン
   合計     880万トン
    東芝    220万トン
     再計   1100万トン
2013/5/20  米エネルギー省、日本へのLNG輸出を許可
Lake Charles Exports

株主:
Southern Union Company
BG Group
Lake Charles Terminal
(Lake Charles, LA)
承認:2013/8(FTA締結国向けは 2011/7)
数量:2.0 Bcf/d(年間1500万トン)
期間:20年間
輸出契約:
    BG Groupがパートナーのため、当然BGは対象
2013/8/12 米エネルギー省、非FTA締結国向けLNG輸出で3件目の承認
Dominion Energy Dominion Cove Point
  LNG Terminal
(Chesapeake Bay
 in Lusby, Md.)
承認:2013/9(FTA締結国向けは 2011/10)
数量:
0.77Bcf/d 年間525万トン
期間:20年間
液化開始:2017年
輸出契約:
    住友商事  

230万トン

 
     (東京ガス)  

(140万トン)

 
          (関西電力)   ( 80万トン)  
   Gail(インド)   230万トン  
   合計    460万トン  
2013/9/13   米、日本向けLNG輸出 2件目を承認
Cameron LNG

株主:
Sempra Energy 50.2%
三井物産 16.6%
Japan LNG 16.6%
(三菱商事
/日本郵船)
GDF Suez  16.6%

 

Cameron Parish, LA 承認:2014/2/11(FTA締結国向けは2012/1)
数量:1.7 Bcf/d(年間1200万トン)
期間:
20年間
輸出開始:2017年
輸出契約:
   三井物産  

400万トン

 
   三菱商事  

 400万トン

 
   GDF Suez   400万トン  
   合計    1200万トン  
 2014/2/13    米、日本向けLNG輸出 3件目を承認
Jordan Cove
Energy LNG

株主:
Veresen Inc

 

Coos Bay, Oregon 承認:2014/3/24


   (FTA締結国向けは2011に900万トンで承認)        
数量:0.8 Bcf/d (年間 600万トン)
期間:20年
輸出開始:2017年
輸出契約:2014年中
本件


なお、次に承認を受けるのは、同じオレゴン州の WarrentonのSkipanon Peninsula に建設予定のOregon LNGと見られている。(上のパイプライン地図に表示)

 

ーーー

米議会は3月25日、ウクライナ情勢を受け、米同盟国がロシアの天然ガスに依存しなくても済むよう、WTO加盟国に政府の許可なしでLNG輸出を認める法案の審議を開始した。但し、仮にこの法案が通っても、実際の輸出には5~6年かかる。

この案に対する反対も多く、公共の利益に合うかどうか考えずに無制限に輸出を認めると予期しない 重大な悪影響を生むかも知れないとの意見が出ている。

当初から天然ガス価格の値上がりを懸念している Dow Chemical などは当然、反対している。



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