国際競争力ランキング

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スイスの研究機関で「ダボス会議」を主催する「世界経済フォーラム(World Economic Forum)は9月3日、2014年版の国際競争力ランキングを発表した。
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GlobalCompetitivenessReport_2014-15.pdf

日本は6位となり、昨年から順位を3つ上げた。日本の6位は、現在の基準になってからでは2010年と並んで最高となる。

国際競争力ランキングは、144カ国・地域を対象に、基礎的条件の4分野、効率性促進要因の6分野、革新性・洗練性の2分野、合計12分野について、コロンビア大学のXavier Sala‐i‐Martin経済学部教授が開発した国際競争力指数(GCI)で評価し、順位付けている。

首位は6年連続でスイスだった。トップ10の顔ぶれは昨年と同じだった。

韓国は26位(前年25位)、中国は28位(同29位)、ロシアは53位(同64位)、インドは71位(同60位)であった。

日本は、企業の活発な研究開発投資、鉄道網の発達、顧客重視の文化などが前年同様の高い評価を得たほか、知的財産権の保護などでポイントが上がった。
安倍政権の安定した政権運営もプラス材料になったが、巨額の政府債務や高い法人税は、順位を抑制する要因になった。


トップ10の総合順位、各分野の順位は下記の通り。分野により点数配分が異なる。

  スイス シンガポール フィンランド 日本 香港 スウェーデン

1位国

本年 前年
総合順位 本年 1 2 3 4 5 6 9 7 8 9 10 スイス
(前年) (1) (2) (5) (3) (4) (9) (10) (7) (8) (10) (6) スイス
                         
(基礎的条件) 4 1 33 8 11 25 (28) 3 10 24 12 シンガポール
制度 9 3 30 2 17 11 (17) 8 10 12 13 NZ
インフラ 5 2 12 19 7 6 (9) 1 4 10 22 香港
マクロ経済環境 12 15 113 43 24 127 (127) 14 39 107 17 ノルウェー
保健衛生、初等教育 11 3 49 1 14 6 (10) 32 5 21 23 フィンランド
                         
(効率性促進要因) 5 2 1 10 9 7 (10) 3 8 4 12
高等教育、職業訓練 4 2 7 1 16 21 (21) 22 3 19 14 フィンランド
商品市場効率 8 1 16 18 19 12 (16) 2 9 13 17 シンガポール
労働市場効率 1 2 4 23 35 22 (23) 3 21 5 20 スイス
金融市場成熟度 11 2 9 5 25 16 (23) 1 37 15 12 香港
技術発展 10 7 16 11 13 20 (19) 5 9 2 3 ルクセンブルグ
市場規模 39 31 1 55 5 4 (4) 27 23 6 36
                         
(革新性・洗練性) 1 11 5 3 4 2 (3) 23 6 8 7 スイス
ビジネス先進度 2 19 4 9 3 1 (1) 16 5 6 8 日本
Innovation 2 9 5 1 6 4 (5) 26 8 12 7 フィンランド


このうち、マクロ経済環境で日本(127位)、米(113位)、英(107位)の順位が極めて低いが、これは次の5つの評価の結果である。 (* はGDP比)  

      日本                  
・Government budget balance* 

136位

  130位   119位
・Gross national savings* 58位   87位   126位
・Inflation(56カ国が1位) 62位   1位   1位
・General government debt* 143位   134位   126位
・Country credit rating 18位   7位   13位
     
このほか、日本の順位が低い項目は以下の通り。
・Total tax rate 114位  
・農業政策のコスト 131位  
・貿易障壁 116位  
・GDPに対する輸入比率 135位  
・GDPに対する輸出比率 132位  
・雇用と解雇の慣行 133位  
     


世界1位の項目は以下の通り。
 インフラ:鉄道インフラの質
 保健衛生、初等教育:
HIV感染の少なさ
 商品市場効率:国内市場での競争の強さ、需要家への説明度、バイヤーの洗練度
 ビジネス先進度:国内サプライヤーの供給量、国内サプライヤーの品質、競争優位の性質、
                                    バリューチェーンの広さ、国際物流のコントロール
 

分野別の日本と先進国平均の状況は下記の通り。


 

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