米、海上貨物輸送カルテルで日本人に禁固刑

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米司法省は1月30日、川崎汽船の元幹部 H. T. 氏が海上貨物輸送に関するカルテルを認め、メリーランド州の地方裁判所で1年6ヶ月の禁錮刑と罰金2万ドルが言い渡されたと発表した。1998年4月から2012年4月までの間、乗用車などの roll-on, roll-off cargo の輸送で価格を操作したり、顧客の割当などを行った。

川崎汽船は2014年9月に関与を認め、67.7百万ドルの罰金支払いに同意している。

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日本の公取委は2014年3月18日、自動車運送業務を行う船舶運航事業者に対し、独禁法違反行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。

各社は遅くとも2008年1月以降、日本から北米、欧州などに新車を運ぶ4航路で、値上げ幅などを事前に話し合い、航路ごとに同じ会社が継続受注できるようにし、価格維持を図ったという。

  北米航路 欧州航路 中近東 大洋州 課徴金
(千円)
日本郵船  ○    
4,022,420 《30%》  
  ○  3,876,500《30%》 ○  3,549,190
《30%》
○ 
1,652,960
《30%》

13,101,070
川崎汽船
1,918,910
《30%》

1,561,430
《30%》

1,155,090
《30%》

1,062,960
《30%》

5,698,390
Wallenius Wilhelmsen Logistics
(
ノルウェー)

54,350

3,441,360
   
3,495,710
日産専用船  
423,310
《30%》
   
423,310
商船三井
《100%》

《100%》
《100%》
《100%》
合計 5,995,680 9,302,600 4,704,280 2,715,920 22,718,480
《 》は減免率
日産専用船は商船三井、日産自動車、ノルウェーのHoegh AutolinersのJV

2014/3/22  公取委、自動車運送の船舶運航事業者に課徴金納付命令 


米国も米国発、米国着の乗用車・トラックなどの
roll-on, roll-off cargo の輸送のカルテルの調査を行った。

これまでに川崎汽船を含め3社が有罪を認め、合計136百万ドルの罰金支払いで同意している。

2014年2月にチリのCompañía Sud Americana de Vapores S.A.が8.9百万ドルの罰金を払った。

2014年9月26日、川崎汽船がカルテルを認め、67.7百万ドルの罰金支払いに同意した。

2014年12月29日、日本郵船がカルテルを認め、59.4百万ドルの罰金支払いに同意した。 

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米国で日本人がカルテルで禁固刑となったのは、これで31名となる。

2004年 ソルビン酸カルテル ダイセル 1名
2008年 マリンホースカルテル ブリヂストン 1名
2011年~ 自動車部品カルテル  13社 28名 (うち外国企業の日本人1名)
 他に日本企業の米人1名
  
 他に起訴段階 21名
 自動車部品カルテルでの摘発 合計 50名
2015年 海上貨物輸送カルテル 川崎汽船 1名


一覧表  2014/11/19 米国、自動車部品カルテルの摘発続く (追加分 付記)




     

     

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