日医工、米後発薬メーカーを730億円でTOB

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後発薬大手の日医工は7月11日、米後発薬メーカーのSagent Pharmaceuticals, Inc. を買収すると発表した。

買収は、両社の取締役会で承認済み。日医工は米国に買収するための子会社 Shepard Vision Inc.を新設し、同社を通じて8月末をメドにTOB方式で買い付ける。
1株あたりの買い付け価格は21.75ドルとし、日医工の100%子会社にする計画で、買収金額は総額で730億円程度を見込む。

前日の終値は15.50ドルであったが、報道を受け、株価は急上昇し、21.72ドルとなった。

Sagentの19.8%を保有する Vivo Capital は, TOBに同意している。

Sagentは米国でジェネリック注射剤(抗感染症薬・救急医療・抗がん剤領域)を販売する企業で、病院や共同購買組織等の販売先を持ち、55製品のラインナップがある。2015年の売上高は318百万ドル。

同社は2006年設立で、10周年を迎える。

2014年10月にカナダの注射薬メーカーのOmega Laboratories を買収した。新工場を建設中で、2017年にはカナダで販売開始し、FDAの承認を得て2019年に米国で販売開始する予定。

Sagent Pharmaceuticalsは本年6月16日に、Teva Pharmaceutical から5品目を買収した。
ActavisがAllerganを買収して新社名をAllerganとしたが、この際にジェネリック部門をTevaに売却した。Tevaがこのうちの一部を売却したもの。

2015/7/29 後発薬最大手のTeva、米 医薬大手の Allerganから後発薬事業買収

同社は本年1月に事業売却構想を持ち、投資会社を通じて関心を持つ企業に打診していた。

日医工は世界のジェネリックメーカー Top 10 入りを支える起業基盤構築を進めており、国内ジェネリック医薬市場での15%のシェア確立(「シェアUP力」)、超品質に基づく185億錠供給体制確立(「供給能力」)、バイオシミラー・米国市場への参入(「開拓力」)を目指している。

本買収は、米国市場におけるジェネリック医薬品市場参入のプラットフォーム確立、注射剤領域におけるプレゼンス確立を通じた「開発力」の拡大へ向けた重要なステップと位置づけている。

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世界のジェネリック市場では、日医工は20位(日本では1位)で、単独ではトップ10入りは難しい。

EvaluatePharmaによると、2014年のジェネリックの売上高は742億ドル、日医工は12億ドルで世界のシェアは1.6%である。

Top 20 generics companies by 2014 revenue
  http://www.fiercepharma.com/special-report/top-20-generics-companies-by-2014-revenue

売上高
 10億$
シェア
1 Teva 9.1 12.2%
2 Novartis - Sandoz 8.5 11.5%
3 Allergan 6.6 8.9%
4 Mylan 6.5 8.8%
5 Sun Pharmaceutical インド 4.5 6.0%

Ranbaxy Laboratories 買収

6 Aspen 3.0 4.1%
7 Hospira 2.6 3.6%

Pfizerが買収

8 Sanofi 2.4 3.2%
9 Fresenius Kabi 2.3 3.1%
10 Lupin インド 2.0 2.7%

共和薬品工業の株式の過半数を取得

11 Dr. Reddy's Laboratories インド 1.8 2.4%
12 Apotex   カナダ 1.7 2.3%
13 Stada Arzneimittel 1.6 2.2%
14 Aurobindo インド 1.6 2.1%
15 Cipla   インド 1.4 1.9%
16 Krka Group スロベニア 1.3 1.8%
17 Valeant 1.2 1.6%
18 Zydus Cadila インド 1.2 1.6%

日本ユニバーサル薬品買収

19 Par Pharmaceutical 1.2 1.6%

Endo International が買収

20 日医工 1.2 1.6%



日医工によると、日本の2014年のジェネリック市場は1.2兆円で、シェアは下記の通り。

1 日医工

12.9%

2

沢井製薬

12.8%

3

東和薬品

7.5%

4

テバ製薬工業

5.0%

5

Meiji Seika ファルマ

2.9%

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