COVID-19 治療薬候補「remdesivir 」、大規模治験へ

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米国立衛生研究所(NIH)はCOVID-19の治療薬候補のGilead Sciences 社のRemdesivirの世界規模での治験に着手する。

治験はNIHの1部門である米国立アレルギー・感染症研究所が主導、米ネブラスカ大学と協力して進める。世界50カ所で偽薬とremdesivir を患者に投与し、治療効果を検証する。治験参加数は400人程度を想定しており、既に募集を始めた。



2020/2/22 COVID-19、WHOが2つの治療法試験ーーー 3週間以内に結果判明  

中国を視察しているWHOのBruce Aylward 事務局長補は2月24日、「現時点で有効と思われる唯一の薬がある。それは remdesivirだ」と述べた。



Gilead Sciences は現在、2種類の臨床実験を中国で行っている。中日友好医院との協力の下で湖北省の複数の医療施設で行っている。Gilead Sciences が無料で薬剤を供与し、治験の指導をしている。

中日友好医院は北京市朝陽区にある中国政府衛生部の直属の総合病院で、日本政府の無償のODAにより165億円の費用で建設され、1984年10月23日に開院した。

一つの治験はCOVID-19 罹患で酸素吸入が必要な重症患者が対象で、もう一つはCOVID-19 罹患で入院はしているが、酸素吸入までは必要がない患者を対象とする。前者は2月6日に開始、後者は2月13日に開始した。結果は4月に判明する。

Gilead Sciences はこれとは別に、中国政府や他の組織と共同で、他の治療方法がない場合に remdesivirの例外的使用(Compassionate Use:未承認医薬品の例外的使用)を行っている。
同社では、例外的使用の結果は薬剤の安全性や効能を決めるには不十分で、今後の臨床実験の結果待ちであるとしている。

Gilead Sciences は西アフリカのエボラ出血熱の流行に備え、備蓄用の生産を行ってきており、これをCOVID-19の臨床実験に充てることにしている。

今後の使用に備え、同社では安全性と効能の確認前であるが、供給能力増加の準備を開始している。

同社ではまた、2種類の処方、液体とフリーズドドライをつくるとともに、生産増のための生産ネットワークを広げつつある。


加藤厚労相は2月22日、治療の一環として、富士フィルムのアビガン錠を投与する考えを示したが、remdesivirについても、2月中にも投与を開始する方針で、早ければ、3月中にも医師主導臨床試験をスタートさせる。

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