WTO、ボーイング補助金巡りEUの対米報復を承認 

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世界貿易機関(WTO)は10月13日、米政府による米航空機大手ボーイングへの補助金を巡り、ボーイングへの補助金が理由で、エアバスが過去に受注を逃していたと認定した。
欧州連合(EU)が報復措置として米製品に40億ドルの関税を課すことを承認した。

EUの執行機関である欧州委員会はすでに、航空機のほか、ワイン、蒸留酒、スーツケース、トラクター、冷凍魚など、関税措置対象候補品目の一覧表を作成している。

欧州委は早くて10月26日のWTO会合後に報復関税措置を発動できるが、アナリストの間では米大統領選直前に発動されないとの見方が大勢である。

EUと米国は互いの航空機への補助金をWTO協定違反としてWTOに訴えている。

経緯は下記の通り。

EU航空機へのEUの補助金 米国航空機への米国の補助金
世界貿易機関(WTO)の紛争処理手続きの最終審に当たる上級委員会は2018年5月15日、EUによるエアバスへの補助金がボーイングに損害を与えたとの判断を下した。

WTO上級委員会は2019年3月28日、米国政府による米航空機大手ボーイングへの補助金提供はWTO協定に違反するとのEUの主張をおおむね認める判断を下した。
USTRは2019年4月8日、EUに対する追加関税措置の暫定リストを公表 (210億ドル相当)、大型商用機やその部品のほか、乳製品やワインを含む。

7月1日には追加で40億ドル相当の品目リスト(オリーブやイタリア産チーズ、スコッチウイスキーなどさまざまな食品や酒類)を発表した。

EUは2019年4月17日、米国に対する追加関税措置の200億ドル相当の暫定リストを公表した。
品目は500を超え、航空機に限らず、化学品から農水産・食品(冷凍食品、かんきつ類、ケチャップなどを含む)まで広範にわたる。

2019/7/4 米国、EU航空機補助金巡る報復関税対象追加

WTOは2019年10月2日、米国がEUに年最大75億ドル相当の報復関税を課すことを承認した。航空機に10%、その他の農産品や工業品に25%を上乗せする。

米国は同日、EUによる航空機大手エアバスへの補助金を巡り、EUに対する報復関税を10月18日にも発動する方針を表明した。

2019/10/4 米国、EUによる航空機大手エアバスへの補助金を巡り報復関税

今回
WTOは2020年10月13日、米政府による米航空機大手ボーイングへの補助金を巡り、欧州連合(EU)が報復措置として米製品に40億ドルの関税を課すことを承認した。

WTOの今回の決定に米国側は反論している。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表はWTOの決定は、ボーイングへの研究開発補助金に対する ものではなく、ワシントン州による税制優遇措置に焦点を当てたものだが、同州は今年初めに税優遇を廃止したため報復関税の根拠がないと指摘した。「WTOの原則に反し、米国は対抗措置を余儀なくされる」と している。

ボーイングは、同社がWTOの裁定に従っており、EUが報復関税を課す根拠はないと主張している。

米政府は昨年、75億ドル相当の欧州製品に輸入関税を発動しており、EUが課税すると、双方を合わせて企業を巡る通商問題としては世界最大級となる。

欧州委はその後、米国と協議する意向を表明した。

欧州委の上級副委員長は「報復措置の連鎖の回避に向け、交渉を通した解決を望んでいるとこれまでも明確に示してきた 。米国がこれまでに決定した関税措置を取り下げ、それを受けEUが報復措置の実施を見送ることを提案する」と述べた。

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