バイデン大統領、American Jobs Plan 発表、8年間で2兆2500億ドル投資

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バイデン大統領は3月31日、国内のインフラの整備等に8年間で2兆2500億ドル、日本円で220兆円を投入する新たな計画を発表した。

3月11日に1.9兆ドル(約200兆円)規模の新型コロナウイルス対策法案(American Rescue Plan ) が成立したが、今回は大規模な財政出動で雇用を作り出すとしている。

米国は金持ちだけではなく、全員が豊かになることが必要であるとし、フェアで、世界で最強で、最も回復力があり、イノベーティブな経済をつくるとしている。

「(過去の経済成長では米国社会の多くの層が取り残されていたが、)われわれは誰も置き去りにすることはない。誰もが成功すれば、皆がもっとうまくいく」と述べた。

大統領スピーチ全文

全体の計画は、American Jobs Plan とAmerican Families Planの2部に分かれ、今回はAmerican Jobs Plan を発表した。数週間後に医療など社会福祉の拡充策のAmerican Families Planを発表する。

「American Jobs Plan」と題した同プログラムの期間は8年。老朽化した道路や橋の補修電気自動車の充電ステーション設置など交通インフラに6,210億ドルを投じるほか、飲料水・電力網・ブロードバンドに3,110億ドル、福祉施設に4,000億ドル、半導体などの製造業のサプライチェーンの強化や人工知能の開発などに5,800億ドルを投じる。

「第2次世界大戦以降、最大の雇用に対する投資だ。何百万もの賃金の高い雇用を生み出し経済を成長させ、中国との競争に勝てるようにする」と強調した。

計画内容は下記参照。詳細はFACT SHEET: The American Jobs Plan

財源として、増税を発表した。15年かけて今回のコストをすべて賄えるとしている。

現行で21%の法人所得税率を28%に引き上げる。各国が行っている税率引き下げ競争を米国は止める。

Tax Haven 国への本社移転で税回避するのを防ぐため、種々の対策を折り込む。世界的に事業展開する企業の利益に税率21%のミニマム税を適用するが、国別に計算することで、Tax Haven国での利益にも課税する。

今後、ホワイトハウスは法制化に向け、与野党の議会指導部と交渉に入るが、コロナ対策とは異なり、簡単ではない。


投資計画の内容は下記の通り。(億ドル)

交通インフラ 5,210
+1,000
*
道路、橋梁の修理 1,150
公共交通の近代化 850
鉄道サービス 800
電気自動車 1,740
港湾、水路、空港の改良 250
未来の交通インフラ 200
その他 220
インフラ改善 500 洪水、山火事、ハリケーン、その他リスク対応 500
飲料水、電気、ブロードバンド 3,110 クリーンな飲料水 1,110
電力網 1,000
high-speed broadband 1,000
住宅、公共施設 2,130 2,130
教育施設 1,370 学校建設、改善 1,000
地域短大 120
保育施設 250
退役軍人病院ほか 280 退役軍人病院 180
連邦ビルの近代化 100
福祉施設 4,000 老人、障碍者のケア 4,000
R&D、製造近代化、中小企業 5,800 R&D、未来の技術への投資 1,800
製造業、中小企業活性化 3,000
Workforce Development 1,000
その他 100 100
合計 22,500 22,500

* 他の項目に含まれる。

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