米、失業給付の特別加算を9月6日で終了

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バイデン米政権は8月19日、新型コロナで導入された失業給付の特例加算措置を、予定通り9月6日に終了する方針を示した。同時に、支援の継続が必要な失業者については、州政府が関連基金を活用して給付を上乗せするように求めた。

特例加算措置の柱となる連邦政府による週300ドルの一律加算などは「一時的なもので、期限切れは適切だ」と表明。その上で、3月に成立した追加経済対策の基金を使い、地域の判断で加算を延長することができるとした。

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トランプ大統領は2020年3月27日、過去最大の2兆ドル(約220兆円)規模の景気刺激策法案に署名し、法律が成立した。

議会上院が25日に超党派の同法案に修正を加えて可決したのに続き、この日、野党・民主党が過半数を占める下院も3時間の議論を経て可決した。

失業保険強化が含まれており、各州の規定に加え、最長4カ月、週600ドルを加算する。

この失業給付の特例が2020年7月31日に失効し、支給額が一時的に大幅に減額した。

これに続き、中小企業の雇用維持策も8月7日に申請期限が切れた。

民主党、共和党ともにPaycheck Protection Programの延長では一致しているが、民主党は現状維持を求めるが、共和党は大幅減額を主張した。

2020/8/8 米国、失業給付の特例に続き、中小企業の雇用維持策も期限切れ

トランプ大統領は2020年8月8日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策として、失業給付を増額する措置の延長を含む4つの大統領令に署名した。

 失業給付を週400ドル上乗せ

従来の週600ドルを週400ドルとする。但し、連邦政府支出は300ドルで、残り100ドルは各州の負担とする。

従来規定は7月31日に切れたが、今回分は7/27~8/1の週の失業から適用される。

400ドルへの減額について、大統領は「600ドルでは再就職のインセンティブが下がる」とした。

従来ベースでは州支給分を合わせると週に1000ドル近くとなり、失業者の7割が以前の給与を上回る給付を受けているとの試算もあった。 延長そのものに反対する共和党議員が少なくない。

なお、政府負担300ドル、州負担100ドルとしたが、「すでに州政府の予算は底をついていて負担は無理」との声もある。

2020/8/9 トランプ大統領、失業給付増額等へ大統領令 

上記対策は2021年3月14日に期限が来る。米下院は2021年3月10日、1.9兆ドル規模の新型コロナウイルス対策法案を賛成多数で可決した。バイデン大統領は3月11日に署名、成立させた。

これには失業保険の州支給分への上乗せが含まれる。州の失業保険支給分(平均 週370ドル)に国から週300ドルを上乗せするもので、3月14日に期限切れになるものを9月6日まで延長した。

当初下院を通過した法案は週400ドルの上乗せで、期限は8月末であった。上院で300ドルに引き下げるとともに9月6日までに延長、下院で再可決した。


州300ドル上乗せでは失業保険は州の分を加えると平均で670ドル、これをはるかに上回る州も多い。

このため、低賃金の仕事には応募せず、失業保険を引き続き受け取る人が多いとされる。

コロナ以前は今より雇用が多く、失業率も完全雇用水準(4.6%)をはるかに下回る3.5%であった。

経済が元に戻りつつあり、人手不足(と原材料供給問題)で消費者物価、卸売物価指数が急上昇するなかで、 失業率が7月は5.4%であった。

これは、本来働いている筈の人が、職があるのに、働かないことを意味している。

特に低賃金の職の場合、働くよりも失業保険の方が多いことが理由とされる。

2021/5/14 


この状況では今回の国の上乗せ終了措置は妥当と思われる。働けない人や働いても生活に困る人に対しては、別の方策で救済するのが妥当であろう。

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