Royal Dutch Shell、英本社に一本化し、社名をShell に変更

| コメント(0)

Royal Dutch Shellは、元は、オランダの Royal Dutch Petroleum(正式名 N.V. Koninklijke Nederlandsche Petroleum Maatschappij)と英国のThe Shell Transport & Trading Company plcという別々の会社であった。
前者は1890年に
オランダ王室からの特許状を得て、設立されたオランダ領東インド石油開発会社が元である。

Rockefeller 系のStandard Oil との競争が熾烈になったため、両社は1903年にAsiatic Petroleum CompanyというJV設立をきっかけに提携、1907年にRoyal Dutch Petroleumが60%、Shell が40%の比率で出資する持株会社を通じてグループ企業を統治するRoyal Dutch Shell Groupを形成した。この二元上場会社が100年近く続いた。

2005年5月、Royal Dutch Shell Groupは統合した。

新会社 Royal Dutch Shell plc を設立し、2つの親会社(Royal Dutch PetroleumとThe Shell Transport & Trading Company)を実質的に吸収する。

新会社は英国に設立され、本部はオランダのハーグに置き、税務上の本社はオランダに置く。

これまでの出資比率を守るため、Royal Dutch Petroleum株主には新会社の株式の60%、The Shell Transport & Trading Company株主には40%が支給される。

株主の受取配当金の税務上の扱い(源泉徴収の有無)を維持するため、新会社はA株とB株を発行する。
A株は
Royal Dutch Petroleum株主に支給され、B株は Shell Transport & Trading株主に支給される。

配当はユーロ建てで決まるが、B株の株主は英ポンドで受け取る。ADRの保有者は米ドルで受け取る。
(会社はオランダ法人で、ポンドでの配当支払いは出来ないため、形式的に、英国法人である子会社のShell Transport and Trading / BG Group から配当を受ける形をとる。)

A株はオランダ株のため、オランダの源泉徴収税 15%がとられる。B株は英国株で、源泉徴収課税はない。

ーーー

今後は税制上の拠点を英国に移し、株式の二重構造も廃止して英国に一元化する。

株主の立場はこれまでと変わりない。

新会社の株式はAmsterdamと London、ADRについてはNew York で上場される。

配当の受取方式は次のようになる。





コメントする

月別 アーカイブ