Chandra Asri の大型石油化学第二期プロジェクト スタート

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東洋エンジニアリングは12月3日、インドネシア最大の石油化学会社であるChandra Asri Petrochemical の子会社であるChandra Asri Perkasより、インドネシア・ジャワ島西部チレゴンに新設される大型石油化学の第二期プロジェクトsecond world-scale petrochemical complex in Indonesia:CAP2) のFEED業務を受注したと発表した。 他に、Samsung Engineering、Wood、PT Haskoning Indonesiaの3社も受注している。


TOYOは本プロジェクトのPackage-A(オレフィン・芳香族回収系・ブタジエンの生産設備、ユーティリティ設備)のFEED業務を請け負う。

TOYOは1990年代に受注したエチレン製造設備を初めとし、Chandra Asriから複数の建設プロジェクトの受注実績がある。

2011/6/8  Chandra Asri の増設計画

2013/9/20 インドネシアのChandra Asri、エチレン増設


Chandra Asri の石化の現状は下記の通り。


2013/6/26 Michelin とChandra Asri 、インドネシアに合成ゴム製造JV設立


Chandra Asri の
CAP2は下図の通り。


採用技術は下記の通り。

CB&I Lummus Technology : ナフサクラッカー、ブタジエン
GTC Technology : BTX recovery
Texplore : HDPE
Lyondellbasell : LDPE、PP

国営タイ石油公社(PTT)系の石油精製大手Thaioil は2021年7月29日、Chandra Asri Petrochemical に15%出資すると発表した。9月末までに同社が発行する新株を最大914百万ドルで取得する。

タイのSiam Cement Group は2011年9月、Chandra Asriの株式30%を取得(シンガポールのTemasekから23%、Baritoから残り7%)を買収、経営に参画した。
同社も今回、Chandra Asriの新株を最大434百万ドルで取得し、出資比率を維持する。

多額の資金調達がネックとなっていたChandra Asriにとっては、タイ化学業界の二大陣営から合わせて13億ドルの投資を引き出したことで、計画実現に光明が差した。

Chandra Asriは新株発行で調達した資金をCAP2建設にあてる。プラントが5年以内に完成した 場合、Thaioil は最大270百万ドルを追加出資する。

Thaioil はナフサを供給する契約も結ぶ。


Chandra Asri
はスハルト元大統領の次男のバンバンのビマンタラ・グループ、合板王と呼ばれる彭雲鵬が率いるPT Barito Pacific林紹良が率いるサリム・グループからスピンオフしたナバン・グループが75%出資し、日本インドネシア石油化学投資(丸紅85%、昭和電工10%、TEC5%)が25%出資して設立された。 

    2006/4/26  インドネシアのエチレン計画への日本企業の参加-1

現在の株主構成は下記の通り。

Barito Pacific    34.54%    当初の株主
Temasek Holdings      シンガポールの政府系投資機関 
Siam Cement Group   30.57%    
Thaioil 15.00%
他 4社 19.89%

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