国際鉄鋼連盟がまとめた2005年の世界生産速報で、中国の生産量は3億5千万トンと初めて3億トンを超えた。
中国は2005年に鉄鋼の純輸出国となった。2003年には輸入が 4,310万トンに対し、輸出は 845万トンに過ぎなかったが、2005年には輸入が 2,717万トンに減少したのに対し、輸出は 2,775万トンに激増している。
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朝鮮日報によると、中国産鉄鋼製品の韓国への流入が急激に増え、韓国の鉄鋼メーカーを緊張させている。 厚板の品質水準は、ここ3~4年間で韓国産と比べても遜色がないほど向上したといわれており、現代・サムスンなど韓国の造船メーカーも昨年から高付加製品に分類される船舶用厚板を中国から輸入している。
もっと大きな問題は、過剰能力の存在である。国家発展改革委員会の説明では「生産能力は需要規模を1億2千万トン上回っている。加えて建設中の生産増強分が 7千万トン、さらに建設計画分は 8千万トンにのぼる」とし、ミニ高炉の廃止等を打ち出しているが、過剰設備の処理は簡単ではない。既に中国国内で値下げ競争が始まっている。
石油化学製品の新増設ラッシュをみていると、同じことがおこるのではないかと心配になる。
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