ダウとBASF、POを新製法で生産

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3/8、ダウはBASFとの合弁でアントワープに過酸化水素法でPOプラントを建設すると発表した。能力は30万トンで、2008年初めのスタートを目指す。

過酸化水素法はBASFが1995年頃から研究してきたもので、副産物がなく最終製品であるPOと水しか発生しないこと、プラントの設置面積が小さく、必要インフラストラクチャが少ないことが特徴とされている。
(但し、
多量の過酸化水素ープロピレン1トンに対し0.6トンーを使用するため、POプラントの横に過酸化水素のプラントを建設することが必要。またエポキシ化触媒をリサイクルするためにメタノールを使用しており水とメタノールの分離に多量のスチームも使用する。)
BASFは過酸化水素製造のため、ソルベイと提携している。

ダウは01年にエニケムとの間でポリウレタン事業とポリメリ(UCC/エニケムのPEのJV)持分を交換した際にこの技術を取得しており、ダウとBASFは02/8に共同開発を決めた。

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現在、POの生産には3つの方法がある。

1)塩素法
従来からの製法で
プロピレンに塩素と水を反応させ、生成したクロルヒドリンを水酸化カルシウム或いは水酸化ナトリウムで処理する方法。(併産物:塩化カルシウム or 塩化ナトリウム)

日本では現在、旭硝子(鹿島)とトクヤマ(徳山)が生産している。

2)ハルコン法
イソブタン又はエチルベンゼンを酸素と反応させて得られたハイドロパーオキサイドでプロピレンを酸化する方法で、イソブタンを使った場合はTBA or MTBE、エチルベンゼンを使った場合はスチレンモノマーを併産する。

日本では日本オキシランがSM併産で生産している。
なお、アジアでは韓国でSKCケミカル(当初ARCOが出資)、シンガポールでSeraya Chemical (Shell) 及びEllba Eastern (Shell/BASF)が、いずれもSM併産で生産している。

3)住化新法
上記2)の方法でイソブタン或いはエチルベンゼンの代わりにイソプロピルベンゼン(クメン)を用い、生成するクミルアルコールを脱水/水素化してクメンに戻すことにより、併産物を生成しない新しいプロセスの構築に成功した。

住友化学は千葉で新法によるプラントを建設した。また、サウジのラービグで新法によりPOを生産する。

 

住友化学資料によると世界のPOの生産量の技術別内訳は添付の通りとなっている。Potechshare

コメント(1)

過酸化水素とプロピレンの反応を利用するのはじめての商業プラントですね。住友のクメン法と同様バイプロなしですね。コストは、どちらがいいのか、それぞれの企業は自信を持っていると思います。どうだあ? 30万トン大規模です。ポイントは、過酸化水素のコストでしょう。建設費どのくらいかなあ?過酸化水素の建設費もあるし、ト-タルで考えるべきですね。

ヘッドコ-チ

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