2006/4/14のポリカーボネートと原料ビスフェノールAでPCとのカラミで一部の会社のビスフェノールAに触れた。
ここではフェノールとビスフェノールAの活動をまとめた。
各社能力 (単位:千トン)
フェノール |
ビス | ||
三井化学 | 大阪 |
200 |
: |
大阪 |
: |
60 | |
市原 |
190 |
: | |
名古屋 |
: |
55 | |
Singapore |
250 |
230 | |
中国 | : | (120) | |
日本GE |
市原 |
: |
90 |
千葉フェノール |
出光千葉 |
230 |
: |
出光興産 | 千葉 | : | 70 |
三菱化学 | 鹿島 | 250 |
100 |
黒崎 |
: |
120 | |
新日本 フェノール |
戸畑 | 0 |
: |
新日本 ビスフェノール |
戸畑 | : | 95 |
新日鐵化学 (錦湖P&B) |
韓国 Yeochon |
|
|
国内
三井化学は大阪に200千トン、市原に190千トンのフェノールをもつ。
ビスフェノールは大阪に60千トン、名古屋に55千トン、及び日本GEプラスチックの工場として市原に90千トンをもつ。
大阪工場は1986年に三井東圧と三菱油化がビスフェノールAの50/50製造JVとして設立した「共同ビスフェノール製造」で、1997年3月に合弁を解消し、98年3月に吸収した。
日本ジーイープラスチックス(GEPJ)は1989年設立で、GEが51%、三井化学が41%、長瀬産業が8% 出資しており、GEPJ自消分以外の製品は三井化学が販売を受託している。
三井化学はまた、出光興産千葉工場内に、三井化学55%/出光興産(旧出光石油化学)45%出資の千葉フェノールを設立し、フェノール230千トン、アセトン80千トンをもっている。(2006年にそれぞれ200千トン、60千トンから増設)
出光興産はビスフェノールA 70千トンをもつ。(PCは千葉に50千トンのほか、台湾に台湾プラスチックとの50/50のJVの台化出光石油化学:100千トンをもつ)
三菱化学は鹿島にフェノール180千トンとビスフェノールA 100千トン、黒崎にビスフェノールA 100千トンをもつとともに、戸畑に新日鐵化学とのフェノール、ビスフェノールAのJVをもっていた。
フェノール(改良トルエン法)は新日本フェノール(新日鉄化87.5%/三菱12.5%、120千トン)、ビスフェノールAは新日本ビスフェノール(当初は新日鉄化51.4%/三菱24.3%/東都化成24.3%で2001/3に東都化成持分が新日鉄化へ、95千トン)で、1993年に稼動を開始した。
東都化成は新日鐵グループで、新日鐵化学はビスフェノールAは東都化成のエポキシ用に供給するとともにとPCメーカーに販売した。
しかし、原料トルエンの高騰による採算悪化から2005年に合弁を解消、フェノールは停止、ビスフェノールAは新日鐵化学100%とした。
これに伴い、三菱化学は鹿島のフェノールを250千トンに、黒崎のビスフェノールAを120千トンに増設、新日鐵化学は韓国のJV(後記)を増設した。
海外
三井化学は、2006/4/3の「シンガポールの石油化学の歴史-2」記載のとおり、シンガポールのジュロン島で多くの事業をおこなっている。
当初はフェノール/アセトンは Mitsui Phenol Singapore (三井化学 90%、三井物産 10%)、ビスフェノールAはMitusi Bisphenol Singapore (三井化学100%)で生産していたが、2006/1/1に両社を合併しMitsui Phenols Singapore (三井化学 90%、三井物産 10%)とした。
現在の能力はフェノール 250千トン、アセトン 150千トン、ビスフェノールA 230千トンで、ビスフェノールAは隣接のTeijin Polycarbonate (180千トン)用に供給している。
三井化学は本年4月にビスフェノールAを製造・販売するSINOPECとの50/50合弁会社・上海石化三井化工有限公司の設立の認可を取得した。上海ケミカルパークに120千トンのプラントを建設する。原料フェノールはSINOPEC上海高橋分公司から供給を受ける。
製品は帝人化成が浙江省嘉興市に100%子会社として設立した帝人化成(中国)(50千トンのプラントをもち、現在、倍増中)に供給する。
新日鐵化学は韓国にフェノール及びビスフェノールAの製造販売のJV・錦湖P&B化学をもっている。
新日鐵化学 49%、錦湖石油化学及び系列会社 51% 出資で、麗川にフェノール 130千トン、ビスフェノールA 35千トンをもっていたが、日本での三菱化学とのJV解消に伴い、それぞれ280千トン、135千トンに増設した。
錦湖P&B化学は当初はShellと錦湖のJVの Kumho Shell Chemical で、1998年にShellが離脱して現社名に改称、2000年7月に新日鐵化学が参加した。
このほか、本州化学工業が三井物産、バイエルとのJVで、特殊PC樹脂、特殊エポキシ樹脂原料の特殊ビスフェノールをドイツのザクセンアンハルト州で事業化している。
2001年にHi-Bis GmbH を設立、5千トン設備を建設し、2004年12月から営業を開始した。
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