JSRの決算が好調である。
単位:百万円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本年度は合成ゴムやABSが値上げで営業利益が増加しているが、多角化事業も利益を伸ばしている。
多角化事業の営業利益率は27%と高く、全社営業利益に占める比率も72%と非常に大きい。
同社は日本における合成ゴム事業育成のために1957年12月に「合成ゴム製造事業特別措置法」により日本合成ゴム㈱として設立された会社だが(1997年12月にJSRと改称)、大分以前から名前だけでなく、実質的にも日本合成ゴムではなくなっている。
多角化事業の状況は以下の通り。
(単位:億円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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多角化部門のうち、メインのファイン事業の売上高内訳は次の通り(単位:億円)
前期 | 当期 | |
半導体材料 | 325 | 379 |
FPD材料 | 609 | 728 |
光学材料 | 112 | 97 |
機能化学品材料 | 21 | 23 |
ファイン事業合計 | 1,067 | 1,227 |
この他には包装資材、ポリマー等製造技術、健康食品等食品類、医薬品などがある。
<半導体製造用材料事業>
半導体製造用材料では、主力製品であるフォトレジストが、エキシマレジストを中心に国内、輸出とも好調。
<フラットパネル・ディスプレイ用材料事業>
液晶ディスプレイ(LCD)用材料が、モニター用、テレビ用などの液晶パネルの生産増加により需要が拡大し、特にアジア向けを中心とする輸出が大きく増加。
プラズマ・ディスプレイ(PDP)用材料もアジア向け輸出が拡大。
韓国のJSRマイクロコリア(JSR 100%)は第二期工事が完了、2005年8月より生産開始し売上高は前期を大幅に上回った。
台湾のJSRマイクロ台湾(JSR 100%)もLCD用材料の工場が完工し、今年夏の商業生産を目指す。
<光学材料事業>
輸出用光ファイバーケーブルの需要回復を背景に、光ファイバー用コーティング材料が好調に推移。
2006年3月末にDSMグループから国内外のディスプレイ用コーティング材料及び光学メディア用材料を中心とする事業を譲り受けた。
(JVの日本特殊コーティングが日本で行う事業と、DSMが日本以外で行う事業)
<機能化学品材料>
耐熱透明樹脂アートン(R)の拡販に注力
* アートン:非晶質ポリオレフィン(COP)
・シクロペンタジェンを出発原料としたノルボーネン系モノマーを重合した樹脂
・薄型TVをはじめとした液晶ディスプレイ分野向けの位相差フィルム用途で需要が急拡大
・同社のレジン能力は年産3千トン
・四日市工場内に「アートンフィルム」工場を新設
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なお、ABSのJVのテクノポリマー(JSR 60%/三菱化学 40%)の業績も好調である。
(単位:百万円) | |||||||||||||||
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決算短信
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104185/00045372.pdf
補足説明資料
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104185/00045371.pdf
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