3月決算 注目企業ー帝人

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帝人の2006年3月期は増収、大幅増益となった。ポリカーボネート(PC) の寄与が大きい。
2007年3月期は売上高・営業利益・経常利益・当期純利益とも過去最高を更新する予想。予想配当も過去最高となる。

                   単位:百万円(配当:円)
         連結決算  単独決算
売上高 営業
損益
経常
損益
当期
損益
当期
損益
配当
05/3  908,388  51,864 43,087  9,159 -25,421   6.5
06/3  938,082  76,757 68,162 24,852   2,025   7.5
07/3  980,000  85,000 75,000 45,000   8,500  10.0

連結営業損益のセグメント別、地域別推移は添付の通り。

Teijinseg Teijinchiikiセグメント別では化成品、地域別ではアジア(日本を除く)の伸びが著しい。

合成繊維部門では昨年、メキシコの衣料用・工業用ポリエステル長繊維、工業用ナイロン長繊維の製造販売子会社 Teijin Akra S.A.de C.V. 及び欧州のポリエステル長繊維衣料用テキスタイルの製造、販売子会社TMI Europe S.p.A.から撤退した。
(昨年の単独決算の赤字はこれらによる関係会社有価証券評価損 264億円、事業整理損失 386億円があったため。)

衣料繊維は赤字のアクラ、TMI撤収があったものの、市況低迷で減益となった。
しかしアラミド繊維、炭素繊維が増収増益で、これを補った。
これらは需給逼迫で増設中。

アラミド繊維関連の営業損益は183億円(前年153億円)、炭素繊維の東邦テナックス関連が42億円(同23億円)となっている。
(東レでも炭素繊維複合材料部門の営業損益は前年度56億円に対し本年度は118億円と倍増している)

化成品部門ではPETフィルム、PENフィルムが増収、増益。フィルム事業子会社の連結営業損益は97億円(前年66億円)となった。
PC樹脂はDVD、OA機器、電気・電子用途が好調で、中国浙江省の第一工場5万トンは昨年操業を開始し、第二工場5万トンも工事中。
PC事業関連の連結営業損益は315億円(前年125億円)と大幅増益である。アジアの大幅増益はPC樹脂が中心。

医薬医療部門では医薬品では主に骨粗鬆症領域が好調。在宅医療では主に在宅酸素療法(HOT)事業が販売量・レンタル台数増で増収・増益となった。

米州はアクラ撤収で黒字化、欧州はアラミド繊維、炭素繊維、PC樹脂等で増益となっている。

 

同社では各セグメント別にSBUを次の通り、成長SBU、安定収益SBU、再建SBUに分けている。

  成長SBU

積極的資源投入
安定収益SBU

安定収益と
キャッシュ・フロー
確保
再建SBU

抜本策による
再建実施
合成繊維 パラアラミド繊維、
炭素繊維、
PEN繊維
  ポリエステル
  繊維
化 成 品

PC、
PENフィルム、
PEN樹脂

  ポリエステル
  フィルム、
ポリエステル
  樹脂
医薬医療 医薬医療    
流通・リテイル   流通・リテイル  
IT   IT  

SBU=Strategic Business Unit
ミッション、経営資源、製品・サービス、顧客、競争相手などによって明確に区分することができ、且つ、独立した戦略・計画を立案すべき事業単位。

成長SBUとして積極的に資源を投入してきた各製品が利益に貢献している。

2007年3月期では減価償却費540億円に対して設備投資 900億円と、トワロン増強、炭素繊維増設、中国PCPC樹脂工場第二期等、成長SBUを中心に減価償却費を上回る設備投資を行う。

また、研究開発費の約70%は成長SBUで行っている。

 

決算短信
http://www.teijin.co.jp/japanese/ir/doc/tanshin/140a_060508.pdf 
決算説明資料
http://www.teijin.co.jp/japanese/ir/doc/setsumeikai/info060508.pdf 

参考 ポリカーボネートと原料ビスフェノールA

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