中国-カザフ石油パイプライン正式稼動

| コメント(0)

中国とカザフスタンを結ぶ石油パイプラインが25日、正式に稼動した。同日未明原油が新疆ウイグル自治区の阿拉山口(アラシャンコウ)に届き始めた。

全長962キロの石油パイプラインは、2004年9月着工し、05年11月に工事を終えた。西側がカザフスタンのアタス、東は中国新疆ウイグル自治区の阿拉山口を結び、年間輸送能力は設計ベースで2千万トンだが、パイプラインの稼動当初の年間輸送量は1千万トン。両国が共同でパイプラインの建設費7億ドルを提供した。

カザフスタンと中国の間に石油パイプラインを建設することは、1997年に中国の中国石油天然気集団公司(CNPC)がカザフスタンの石油会社Aktobemunaigazの株式60%を買収した際に決まった。

Kazaf 工期は3期に分かれており、1期はカスピ海のアトラウからケニキャクまで、今回のアタスから阿拉山口間は2期工事にあたる。3期はケニキャクからクムコルまでで、これが完成するとパイプライン総延長は約3千Kmとなる。完成後は半分がカザフスタン国内油田、半分がロシアのカスピ海沿岸の油田の原油が中国に輸送されることとなる。

CNPC は、現在はAktobemunaigaz の株式85.12%を保有しており、ケニキャク周辺の油田権益を保有している。またCNPCは2005年8月カザフスタンに権益をもつカナダの石油会社・ペトロカザフスタンを41億8千万ドルで買収した。
ぺトロカザフスタンは1986年にカナダに設立されたハリケーン・ハイドロカーボンズが前身。91年に合弁事業でカザフスタンに進出、2003年に現社名に変更した。カザフスタンで油田開発から精製、販売まで一貫して手掛め、発電所も持つ総合エネルギー企業。

ーーー

阿拉山口の近くの独山子にあるCNPCの新疆独山子石油化学は、昨年8月、製油所と石油化学プラントの拡大工事を開始した。
製油所は6百万トン/年から10百万トンに拡大するもので、カザフスタン原油を使用する。

石油化学では既存エチレン22万トンに加え、100万トンを新設する。誘導品ではHDPE 30万トン、LDPE 60万トン、PP 55万トン、SM 32万トン、PS 13万トン等が新設され、中国の最奥地に一大石油・石化センターが出来ることとなる。 

コメントする

月別 アーカイブ