これまでイラン、イラク、サウジアラビアの石油化学について述べたが、他の湾岸諸国もそれぞれ石油化学事業を行っている。
クウェート
クウェートの石油化学を担当するPIC (Petrochemical Industries Company K.S.C ) は1963年に国営会社として設立され、1980年のクウェート国営石油(KPC) 設立で同社の子会社となった。石化基地はShuaiba Industrial Area につくられた。
PICは以前は肥料を中心事業としていたが、ダウ(当時はUCC)と提携して石油化学を始めた。
1995年にダウ(当時のUCC)が45%、PICが45%出資のJV、Equate Petrochemical Company を設立した。残りの10%は民間資本のBoubyan Petrochemicals(PICが10%出資)が出資した。
その後、同じくPICが10%出資し、残りを民間資本の投資会社Qurain Petrochemical を設立し、現在の出資比率は下記の通り。
出資:ダウ 42.5%
PIC 42.5%
Boubyan 9%
Qurainga 6%
能力:エチレン 80万トン(当初65万トン)
LL/HDPE 40万トン(当初30万トン)
PP10万トン(12万トンに増設中)
PICが所有し、Equateが操業を受託
PICとダウは2007年稼動予定で第2期計画(Equate II)を実施している。これはエチレン・PE・EGと芳香族、SMの3つの会社に分かれる。
(1)Kuwait Olefins Company
出資:Equateと同じ
能力:エチレン 85万トン
PE 30万トン
EG 60万トン
(2)Kuwait Aromatics Company
出資:PIC 80%
Qurain Petrochemicals 20%
製品:ベンゼン、パラキシレン
(3)The Kuwaiti Styrene Company
出資:Dow 42.5%
Kuwait Aromatics Company 57.5%
能力:EB 50万トン
SM 45万トン
ダウは1980年にサウジでSABICとのエチレン、EGのJV、PETROKEMYAを設立しながら1982年に撤退した歴史をもつが、ここでは力を入れており、上記のJVのほかに2004年にPICと2つの海外JV(いずれも50/50)を設立した。
(1)MEGlobal
事業はMEG、DEGの製造販売で、ロンドンに本社を置き、世界中で販売する。ダウのカナダの2工場を移管した。
(2)Equipolymers
事業はPET樹脂の製造販売とPTAの製造。チューリッヒに本社を置き、イタリアのPETとPTA工場、ドイツのSchkopauのPET工場を移管するとともに、SchkopauでPETの増設中。完成後のPET能力は434千トンとなる。
ダウはこれとは別にオマーンでエチレン、PE計画への参加を決めている。
なお、クウェート国営石油(KPC) は昨年末に、シノペック、BP、ロイヤル・ダッチ・シェルとの合弁で、中国広東省に製油所を建設することで合意した。
このほか、PICは下記の国際JVに出資している。
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バーレーン
1979年にGulf Petrochemical Industries Company を設立した。
立地:Sitra
株主:バーレーン政府 1/3
SABIC(サウジ) 1/3
PIC (クウェート) 1/3
製品:アンモニア 1,200トン/日(当初 1,000トン/日)
メタノール 1,200トン/日(当初 1,000トン/日)
尿素 1,700トン/日(当初はなし)
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