伊藤忠商事や国際石油開発などが投資するアゼルバイジャンとトルコを結ぶ原油パイプラインが完成し、6月4日にトルコ側の積み出し港から第一船の出荷が行われた。
完成したのはアゼルバイジャン共和国バクー市からグルジア共和国トビリシ市を経由し、地中海に面するトルコ共和国ジェイハン市を結ぶ総延長1,768kmの「BTCパイプライン」。
BTCパイプラインは次の11社で構成される国際コンソーシアムが総額34億9千万ドルを投じて建設してきたもので、通油量は約100万B/Dが見込まれている。
BP 30.10% / AzBTC 25.00% / Chevron 8.90% / STATOIL 8.71%
Turkey’s TPAO 6.53% / ENI 5.00%/TOTAL 5.00%
ConocoPhillips 2.50% / Amerada Hess 2.36%
伊藤忠 3.40% / 国際石油開発(INPEX) 2.50%
*AzBTC はこの事業のための会社で、出資はアゼルバイジャン国営石油(SOCAR)と同国の経済開発省(MED)
アゼルバイジャン共和国のカスピ海海域でACG(Azeri-Chirag-Gunashli)油田が開発されている。国際石油開発は2003年4月に10%の権益を取得した。ACG油田の権益は以下の通りで、今後段階的に増産し、2009年には日量100万バレルの水準に達することが見込まれている。
BP 34.14% / Socar 10%/UNOCAL 10.28%/STATOIL 8.56%/ExxonMobil 8%
国際石油開発(INPEX) 10% / 伊藤忠 3.92% / 他3社 15.1%
これまではACG原油は、主にバクー市から黒海のスプサ市に至るルート(西ルート)を使用し、ボスポラス海峡を通って地中海に出ている。同海峡を通るタンカーが衝突や座礁などの事故が多発し、トルコ当局は大型タンカーの夜間航行を禁じ、1日あたりのタンカー通行量も制限した結果、タンカーが順番待ちをする事態がおきている。BTCパイプライン完成後には、主としてこのパイプラインで地中海まで輸送し、出荷される。
なお、国際石油開発は1998年に北カスピ海沖合鉱区の参加権益も取得している。同鉱区では、カシャガン油田のほか、カラムカス、南西カシャガン、アクトテ、カイランの4構造にて炭化水素の存在が確認されており、カシャガン油田を中心とする原油生産を2008年に開始するべく開発作業を実施中。
* 地図は国際石油開発ホームページから
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