伊藤忠のイランHDPE計画に米国の圧力?

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2005年6月、伊藤忠はイランのHDPE事業計画に参加することを発表した。
タイ
Cementhai Chemicals CCC:Siam Cement 100%タイNPC、イラン NPCとのJVに出資、イランのアサリューエ地区に250億円を投じて三井化学技術で 30万トンのHDPEを建設するもので、当初は本年2月着工、2008年第1四半期完成を予定していた。
日タイ3社が投資会社Alliance Petrochemical Investment(Singapore)を設立し、NPCとの間でMehr Petrochemical Company
を設立した。
出資比率はNPCが
40%、伊藤忠12%、CCC 38%、タイNPC 10%である。(その後タイNPCはTOCと合併してPTTケミカルとなっている)

本年615日のバンコクポスト紙は業界筋の情報として、米国がイランの核問題を理由に本計画の中止を求めていると報じた。「サイアムセメントや伊藤忠が米国から計画中止の圧力をかけられており、計画が遅れている」としている。

これに対してサイアムセメントはコメントをしていないが、PTTケミカル社長は、「計画はまだ最終ではなく、確定までに2はかかる、その間に政治紛争は解決するだろう」と述べている。また本計画の当事者は、本計画は国連の多数国間投資保証機関(MIGA)が保険を付与しており、米国とイランの核紛争は影響を与えないとしている。

伊藤忠は昨年発表時に、「本事業に際し、昨今のイランを取り巻く状勢を鑑み、米国の専門家とも内容を慎重に検討し、本事業が大量破壊兵器やテロに繋がる可能性あるいは米国の法律(ILSA等)に抵触する可能性が無い事を検証しており、案件の透明性・健全性を確立致しました。また、国際協力銀行や日本貿易保険による輸出金融を活用し、加えて、世銀グループMultilateral Investment guarantee Agency (MIGA)の保険の導入を予定しております」としている。

昨年8月、国際協力銀行はMIGAとの協調案件として協調融資を行っている。MIGAはイランでの第1号として本計画に122百万ドルの保証を行った。契約不履行による出資・融資リスクに対し15年間の保証で、タイ側には戦争や内紛のリスクもカバーしている。

MIGAの報道官は「イランの問題は認識しているが、近い将来に解決されることを望んでいる」とし、本計画を支持している。

立地も技術も資金も決まり2月には着工する予定であったが、計画が予定よりも遅れることは確かだろう。

イランのもう一つの計画、アザデガン油田について、 6月6日 「新・国家エネルギー戦略」発表 参照

 

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