独電機大手のシーメンスは6月29日、バイエルの診断薬事業を買収すると発表した。金額は約42億ユーロ。
バイエルの2005年の診断薬事業の売上高は14億ユーロで、従業員数は約5千人。主に免疫や血液などの検査・分析機器を手掛ける。
バイエルの診断薬事業はヘルスケア事業部門の一部で、同事業部門は動物薬、大衆薬、糖尿病治療、医薬を扱っている。
同社では動物薬を含む医薬品に集中するため売却するとしている。
糖尿病治療と(合併する)シェーリングのX線造影剤は売却対象に入っていない。
同社ではこの売却はシェーリング売却資金確保とは無関係としている。
シーメンスはMedical Solutions Group で以下のような多くの医療機器を扱っている。
血管検査方法、蛍光透視システム、磁気共鳴画像(MR)、核医学診断装置、C型アームがついたX線装置、泌尿器科システムと診察台、断層撮影装置、ヘルスケアに関するIT統合ソリューション、Mammography(乳がん管理)、放射線腫瘍ソリューション、放射線画像システム、超音波診断装置、その他
同社ではこの事業を重点事業に位置づけ、強化を図っている。
2005年にはポジトロン放出断層撮影法(PET)大手のCTI Molecular Imaging, Inc.を買収した。 シーメンスは1987年にCTIとの合弁会社CTI PET Systems を設立している。
また本年4月には米国の免疫診断大手、Diagnostic Products Corporation (DPC) の買収を発表している。
シーメンスでは医療機関の検査・分析機器に強みがあるバイエルの事業買収により、画像診断、試験診断、ITを統合したヘルスケア産業での最初の統合診断会社になるとしている。
シーメンスは日本では旭化成との合弁のシーメンス旭メディテックで CT、MRI、血管撮影装置などの大型画像診断装置を扱っている。
シーメンスは6月に、通信機器大手のフィンランドのノキアのネットワークス事業部とシーメンスのキャリア関連ビジネスを新会社に統合し、50/50の新会社ノキア・シーメンス・ネットワークスを設立すると発表した。固定およびモバイル・ネットワーク・インフラストラクチャとサービスの成長分野で確固たる地位を持つグローバル・リーダー企業を生み出すとしている。
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