温暖化問題で米国最高裁が審議

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米国最高裁は6月末に、二酸化炭素に関する温室効果ガス規制問題を、最も重要な環境問題の一つであるとし、審議することを決めた。10月に始まる2006-07年度で審議、来年6月頃に判決が出ると見られる。

「マサチュセッツ州 vs 連邦EPA」裁判と呼ばれる裁判で、12の州や環境団体がEPAに対して Clean Air Act に基づき二酸化炭素等の排出規制をするべきだと訴えたもの。

原告側は二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)が気候の変化をもたらし、国民の健康と福祉を損なうとして規制すべきだと主張している。

これに対して自動車メーカー等はディーゼル等と異なり、二酸化炭素は人体に直接害を与えないとして反対、EPAは二酸化炭素はClean Air Actでの汚染物質ではないと主張した。
控訴審は、もっと科学的、技術的な研究が必要であるとの理由で、EPAは
Clean Air Actの下で自動車排気ガス規制を行わなくてもよいと判断した。(判断は2:1)

ッシュ政権は二酸化炭素規制は法律のよるのではなく、産業界の自主規制や新技術開発により行うべきだとしている。

原告側は、Connecticut, Illinois, Maine, Massachusetts, New Jersey, New Mexico, New York, Oregon, Rhode Island, Vermont, Washington の諸州で、Baltimore, New YorkWashington, D.C.などの市、アメリカ領サモア及び Union of Concerned Scientists, Greenpeace, and Friends of the Earth などの団体が加わっている。.

多くの州は地球温暖化の観点に立っているが、ニューヨーク州は発電所の公害規制を主眼にしている。

これに対して中部の10州はブッシュ政権の側に立ち、最高裁が自動車排気ガス問題に関与しないよう要請していた。

最高裁が12州側に立った場合、直接には自動車の排気ガスのみが対象となるが、そのような判断は発電所等からの二酸化炭素規制への圧力となるとみられ、地球温暖化にからむ多くの裁判に影響を与える。
二酸化炭素排出は発電所が全体の4割、自動車やトラックはその半分と推定されている。

12州のうちカリフォルニア州は特異な立場にある。同州は連邦EPAが1970年にClean Air Act に基づき設立されたのに先立ち、1967年にAir Resources Board を設置し、翌年に自動車の公害規制を行っており、そのことから固有の公害規制を行う権利を与えられている。
2004年にカリフォルニア州は自動車の二酸化炭素排出を規制、これに対して自動車メーカーは二酸化炭素を汚染物質と誤って定義しているとして訴訟している。

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