Repsol YPFによるポルトガルの石油化学増強

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Repsol YPF はスペインと南米を活動の中心とし、石油探査・石油精製・石油化学を事業とする会社である。

2005年の実績は添付の通りで、利益の源泉はスペインとABB(アルゼンチン、ブラジル、ボリビア)とその他がそれぞれ1/3を占める。
石油精製・販売はスペインが中心である。

Repsol YPF    2005年実績   単位:百万ユーロ
  Gross   Income from   うち
   Revenue    Operation   Spain ABB others 
Exploitetion & Production 9,203 3,246   21 1,600 1,625
Refining & Marketing 41,298 2,683   1,980 563 140
Chemicals 4,185 308        
Gas & Power 2,765 389        
Others   -465        
Total 57,451 6,161    33%  36%  31%
Net Revenue 51,045          
Financial expenses   -722        
Income before tax   5,439        

石油化学についてはスペインに2箇所、ポルトガルに1箇所のエチレンセンターを持つ。Spain

スペインにはPuertollano25万トン、Tarragona65万トン、合計90万トンのエチレンプラントを持っている。
(スペインには他にダウがTarragona
60万トンのエチレンプラントを持つ)

ポルトガルのシネス(Sines)のエチレンセンター(ポルトガル唯一のセンター)はBorealisが所有していたもので、2004年12月にRepsol が買収した。
2001-2003年は50百万ユーロ程度の赤字を続けていたが、2004年は赤字をほぼ解消、2005年は20百万ユーロの黒字となっている。
(Borealisについては2006/6/2 湾岸諸国の石油化学ー3 アラブ首長国連邦(UAE)参照)

Sinesのエチレンセンターはナフサを原料とし、以下の能力を持つ。

  エチレン   350千トン
  プロピレン   180
  LDPE   145
  HDPE   130

Repsolは先日、Sinesのエチレンセンターに2006-10年に6億ユーロ(約870億円)を投じ、増強すると発表した。
発電所とエチレンの増設、ポリオレフィン2プラントの新設を行う。

エチレン能力は350千トンを410千トンにアップすることとしているが、更に40%増設し、570千トンに増設する。
ポリエチレンは買収時能力275千トンを295千トンとし、更に L-LDPE 300千トン設備を新設する。
更に、PP 1系列300千トンを新設する。

これにより、Repsol のエチレン能力は現在の125万トンが147万トンとなり、添付の通り欧州で6位となる。Europeethylene

(同社の説明資料 http://www.repsolypf.com/comunes/archivos/Proyecto_Sines_eng__171867.pdf 16/37 参照。
 なお、本資料には同社の状況が詳しく記されている。)

なお、欧州のエチレンメーカーの能力は以下の欧州化学産業委員会(CEFIC)のホームページにある。
2004年末で西欧に51、中・東欧に10のクラッカーがあり、合計能力は26,524千トンとなっている。

http://www.petrochemistry.net/templates/shwArticle.asp?TID=3&SNID=9

 

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