新日本石油化学、OCTプロピレン設備完成

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新日本石油は11日、川崎の新日本石油化学のOCTプロピレン設備(とイソオクテン製造装置)が1日から稼動を開始したと発表した。

OCTは能力14万トンで、同事業所のエチレン、ブテン留分のほか、室蘭と根岸製油所のFCCから発生するFCCブテンも原料とする。
川崎のプロピレンは既存のナフサ分解炉の38万トンと合わせ、52万トンとなる。
同事業所のエチレン能力は45万トンのため、プロピレンがエチレンを上回ることとなり、同社で名実共にエチレンセンターからプロピレンセンターに転換するとしている。

2005年3月に発表した新日本石油の2005-07年度第3次中期計画では石油精製と石油化学の一体化(CRI=Chemical Refinery Integration)の更なる推進による石油化学製品の増産をうたい、アジア市場をにらみ、特に需給の逼迫が予想されているプロピレン・パラキシレンに軸足を置き、設備投資とCRIの更なる推進によるコスト競争力を確保しつつ、輸出を拡大するとしている。

プロピレンの生産計画 
2003年度実績   60万トン
2007年度   80
2010年度   100

2005年には水島製油所でFCCプロピレンの精留塔(プロピレン8万トン/年)の営業運転を開始した。2007年には仙台製油所の高付加価値化計画でプロピレンスプリッター設備が完成する。(プロピレン10万トン/年)

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OCT(Olefins Conversion Technology)は、TECがABB Lummusの技術ライセンスをLummus社と共同でアジア地区における販売・設計を実施しているもので、TECは2002年に三井化学から大阪工場向に中国を除いたアジア地域で最初のOCTプラントの設計・建設を受注している。

三井化学は2004年秋に14万トン設備を稼動している。ブタジエンを含むクルードC4留分10万トンを水添したあとエチレン4万トンを加えて反応させ年間14万トンのプロピレンを得るもの。

新日石化学向けは2番目で、3番目は2004年8月に大韓油化工業から11万トン設備を受注している。

OCTプロセスは触媒を使ってエチレン、2-ブテンからプロピレンを製造することで廉価にプロピレンを増産するルートとして開発された。 Oct1

OCTプロセスではプロパンを生成しないため、エチレンプラントやFCCで使われる精密蒸留(スプリッター)を必要とせず建設費及び用役消費が軽減される。また、OCTプロセスは熱的にニュートラルな反応であり、競合する他のプロピレン増産プロセスと比較して、少額の投資で用役コストも少なくプロピレンを製造できる非常に優れたプロセスであると言われる。

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なお、旭化成は本年6月に水島製造所で独自開発した接触分解装置「オメガプロセス」の実証プラントを建設し、6月初旬より商業運転を開始した。

オメガプロセスは、石化プラントや石油精製プラントから副生する C4・C5ラフィネートを原料とし、同社が開発した独自の触媒を用いて従来の熱分解法より低温条件下でエチレン・プロピレンを製造する装置。

オメガプロセスの特長は、
1)  オメガプロセスを導入することで、 オレフィン(エチレン、プロピレン)生産量あたりのエネルギー使用量を現状より3%以上低減させる と同時にCO2排出量も大幅に削減することができる。
2)  オメガプロセスは、エチレン1に対しプロピレンが4 生成するという、従来法では成し得ない選択的なプロピレン製造を可能にした。 従来のナフサ熱分解法ではエチレンに対するプロピレンの生産比率は0.65が最大であったが、 オメガプロセスを組み合せることで生産比率を0.8にすることが可能になる。

副産物が増えるように分解炉を低温運転するため、エチレンの生産量は減少するが、低温運転のためエネルギー消費量も20%節約できる。
NEDOの平成16年度「エネルギー使用合理化事業者支援事業」に採択されている。

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