カリフォルニア州、温暖化問題で自動車メーカーを訴訟

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カリフォルニア州政府は20日、自動車からの温暖化ガスで数十億ドルの損害が出ているとして、自動車メーカーを訴えた。
訴えられたのは、GM、フォード、トヨタ、ダイムラー・クライスラーのクライスラー部門、ホンダ、日産の6社。

カリフォルニア州は連邦EPAが1970年にClean Air Act に基づき設立されたのに先立ち、1967年にAir Resources Board を設置し、翌年に自動車の公害規制を行っており、そのことから固有の公害規制を行う権利を与えられている。
同州は
2004年に自動車の二酸化炭素排出を規制したが、これに対して自動車メーカーは二酸化炭素を汚染物質と誤って定義しているとして訴訟している。

州議会は8月31日には温室効果ガスの排出を規制する地球温暖化法を通した。シュワルツネガー知事は月末にもこれを承認すると見られている。
(付記 9月27日に法案に署名)
この法律では州の地球温暖化ガスの排出を2020年までに1990年のレベルに下げることを求めており、法規制により2012年以降排出を抑えることとしている。このためカリフォルニア大気資源委員会に規則と報告システム、排出レベル監視体制の作成を求めている。

自動車メーカーは法手続きでこれらの規則の廃棄に動いており、今回の訴訟は自動車メーカーにこれら規則を受け入れさせるための圧力と見られている。

訴訟では自動車の排気ガスが、州民の健康を損ない、環境を破壊し、州政府に対応のために数百万ドルの支出を強いているとしている。州司法長官は、地球温暖化対策のために納税者が負担するカネを自動車メーカーに負担させるためのものとしている。

州司法長官は本年退任することとなっており、11月の選挙で州の出納局長に立候補する。今回の訴訟を選挙のためと見る向きもある。

自動車メーカー側は、業界は既によりクリーンで、より燃料効率のよい車を作っていると主張、この訴訟を迷惑訴訟(a ''nuisance'' suit)と呼び、対応を検討するとしている。

既報の通り、「マサチュセッツ州 vs 連邦EPA」裁判と呼ばれる裁判で、12の州や環境団体がEPAに対して Clean Air Act に基づき二酸化炭素等の排出規制をするべきだと訴えており、米国最高裁は、二酸化炭素に関する温室効果ガス規制問題を最も重要な環境問題の一つであるとし、これについて審議することを決めた。10月に始まる2006-07年度で審議、来年6月頃に判決が出ると見られる。
2006/7/8 「
温暖化問題で米国最高裁が審議」参照 

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