中国化工集団公司(ChemChina)の海外進出

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中国化工集団公司(ChemChina)は2004年5月に国営のChina National Blue Star (Group) (藍星グループ)と China Haohua Chemical Industrial (Group) (昊華化工)を統合して設立された。

中国藍星は10月26日、フランスのローディアとの間でローディアのシリコーン事業を買収する契約を締結した。事業価値を同事業の2005年の金利・税金・償却前利益の7倍強の4億ユーロをベースにしている。

ローディアのシリコーン事業は、2005年の売上高が417百万ユーロで従業員は合計1200人、欧州が中心で、フランスに2箇所大きな工場を持っている。アジアでは、上海と江西省、マレーシアと豪州に工場を持つ。

藍星は本年、江西省南昌市に年産10万トンの新しいシリコーンモノマー工場を建設、これにより同社の南昌での生産能力は同20万トンとなる。

藍星とローディアは2004年10月にシリコーン事業で提携の覚書を締結し、2005年5月にはローディア技術により年産20万トンのメチルクロロシランのプラントを建設することで合意書を締結、同時に両社はそれぞれのシリコーンの上流及び下流分野での活動をグローバルに戦略統合する可能性について2006年央までに検討するとしていた。検討の結果、今回の事業売却にいたったと思われる。

ローディアは、この売却は世界で主導的地位を占める事業に専心するという基本戦略に沿い、かつ負債縮減に役立つものとしている。

ローディアは元はローヌプーランで、1998年に化学品事業部と繊維・ポリマー事業部を統合し、新会社ローディアとなった。
(残りのライフサイエンス部門は1999年にヘキストと合併してAventis となった。)

ローディアでには3グループ、7事業がある。

Performance Materials Polyamide
Acetowcellulose acetate fiber
Functional Chemicals Novecaresurfactants, phosphorus derivatives, natural polymers and specialty polymersand monomers
Silcea“Electronics & Catalysis” (rare earths),
“Silica Systems” (highperformance silicas) and “Silicones”
Organics and Services  Eco Servicessulfuric acid
Organics:diphenols and derivativesisocyanatesfluorinated compounds and derivatives
Energy Servicesreduction of greenhouse gases

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一方、ChemChina はこの数年海外の化学事業の買収に積極的で、2005年10月には豪州の石化会社Qenosを買収した。

Qenosは1999年10月に当時のケムコアエクソンとモービルの折半会社とオリカ旧ICIオーストラリアが豪州の両社の石化事業を統合して設立したもので、エクソンモービルが53%、オリカが47%出資している。シドニーとメルボルンに工場を持ち、以下の能力をもっている。従業員920人。
 エチレン 500千トン、プロピレン 50千トン、ブタジェン 20千トン
 HDPE 180千トン、LDPE 90千トン、LLDPE 120千トン
 ブタジェンゴム 12千トン
このほか、
Qenosはエクソンモービル、錦湖、BASF等の代理店として、EPDM、PP、ポリエステルレジン等々の輸入販売を行っている。

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BlueStar は、本年1月にはCVC Capital Partners から子会社で動物用栄養製品メーカーの Adisseoを買収している。売買代金は4億ユーロ。

Adisseoは、CVCがアベンティス現在サノフィ・アベンティスの動物栄養製品部門を2002年に購入して設立した会社で、メチオニン、ビタミン、飼料用酵素を製造販売しており、年間売上高は5億ユーロ。メチオニンは年20万トンを生産し、世界シェアは29%。

中国では2005年にメチオニンを12万トン輸入しており、今後も需要は10ー15%増加すると見られている。
BlueStarは将来、Adisseo技術により中国内に20万トンプラントを建設する計画をもっている。



 

 

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