OPECは19日、カタールのドーハで緊急会合を開き、イラクを除く加盟10カ国の生産量を公式生産枠2,800万バレルから170万バレル、実質生産量2,750万バレルから120万バレル減らして2,630万バレルにすることを決めた。11月1日から実施する。
OPECは2005年7月1日に生産枠を50万バレルアップし2,800万バレルとして以来、公式生産枠を維持してきた。しかし、8月後半以降の原油価格の急落を受け、減産による価格維持策が必要と判断した。
当初は公式生産枠から100万バレルの減産との説が流れたが、実質生産量は生産枠を50万バレル程度下回っていることから、現状追認に過ぎないとの見方が出て、価格は下落傾向をたどっていた。
このため、OPECは実質生産量を基準にし、かつ120万トンと減産幅を上積みした。
OPECでは市場の動きを見守り、12月4日にナイジェリアで開く会合で見直しを行うとしている。
各国の状況及び減産幅は以下の通り。(単位 千b/d)
生産枠 | 06/9 実績 |
06/9 能力 |
減産幅 | |
Algeria | 894 | 890 | 890 | 59 |
Indonesia | 1,451 | 1,400 | 1,400 | 39 |
Iran | 4,110 | 3,750 | 3,750 | 176 |
Kuwait | 2,247 | 2,600 | 2,600 | 100 |
Libya | 1,500 | 1,700 | 1,700 | 72 |
Nigeria | 2,306 | 2,200 | 2,200 | 100 |
Qatar | 726 | 850 | 850 | 35 |
Saudi Arabia | 9,099 | 9,200 | 10,500 - 11,000 |
380 |
UAE | 2,444 | 2,600 | 2,600 | 101 |
Venezuela | 3,223 | 2,450 | 2,450 | 138 |
Total | 1 28,000 | 1 27,640 | 28,940 - 29,440 |
1,200 |
OPECの減産合意を受けて、ニューヨーク商業取引所の原油市場は19日、WTI原油の先物価格が夕方の時間外取引で1バレル=61ドル台に急伸した。しかし、実際の減産は合意の70-75%にとどまるとの見方が広がり、一時57ドル台まで下げている。
付記 ニューヨーク原油市場、20日終値は 56.82ドルで約11カ月ぶりに57ドルを割り込んだ。
OPEC生産枠推移
はじめまして。
「ん! -ピークオイル時代を語ろう-」というブログでこの記事やナフサ価格急落の記事にリンクを張らせていただきました。
関心がありましたらお出でいただければ幸いです。
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/