ダウは9月25日、天然油ポリオール(Natural Oil Polyols:NOPs) の開発に成功、直ちに需要家とテストを開始すると発表した。同社では2007年に次世代ポリオールの市場開発のための生産を開始するとしている。
同社は2005年6月に本事業を発表、開発を続けてきた。その結果、ハイドロカーボンベースの製品に対等、又は、より優れた製品の開発に成功した。
NOPsの場合、油の中の脂肪酸の構成が異なるため、これのコントロールが製品の性能に影響する。ダウは多段階のプロセスで天然油の構成を理想のものに変更するのに成功した。
当初は製品の引っ張り強度、弾力性、圧縮永久ひずみ等で問題が発生し、また、NOPsの含有比率を高めると製品の加工性にも影響が出た。ダウではNOPsとプロピレンオキサイドポリオールの最適な混合比率を見つけ、これらの問題を解決した。
NOPsは大豆、ヒマワリ、菜種から生産できるが、ダウの技術は、大豆油を中心にしている。
当初は最大のマーケットの軟質スラブ用ポリウレタンに焦点を絞るが、最終的には軟質スラブ、成形、CASE applications(Coatings、Adhesives、Sealants、Elastomers)などの用途で需要家のニーズにあった多世代のNOPベースの製品ラインを開発したいとしている。また、ダウの他の部門(例えば Dow Automotive)も自動車用途等での利用で需要家と研究している。
需要の伸びに合わせて製造プラントの新設も検討する。
NOPsの開発はダウが2006年5月に発表した「2015年サステナビリティ目標」に合ったものである。ダウは今後10年間の目標として以下の点をあげている。
・ | 食料供給、住宅、水問題、健康と安全などの問題解決のため、最低3つのブレイクスルーを達成する。 |
・ | 省エネルギーの達成、代替エネルギーの開発、化石燃料消費に伴うグローバルな気候変化へのチャレンジ ダウは過去10年で製品当たり20%以上の化石燃料消費節減を達成したが、更に25%の改善を目標とする。 ダウの温室効果ガス排出を2015年まで毎年2.5%減らす。 |
・ | ダウにおける従業員の健康と安全の確保 |
・ | 周辺コミュニティとの協力メカニズム |
・ | 「サステナブル ケミストリー」へのコミット |
・ | リスク評価に関してダウ製品の透明性の増加 |
・ | ダウ製品の総合安全管理についての外部評価 |
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