ダウ、アジア進出を促進

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ダウは20日、タイでサイアムセメントとのナフサクラッカーJV計画を進めると発表した。

昨年のサイアムの発表では、11億ドルを投じてRayongに新しいナフサクラッカーを建設するもので、能力はエチレン90万トン、プロピレン80万トン。
サイアムが
67%、ダウは33%出資する。2010年稼動を目指す。

ダウは石油化学投資に当たり "asset-light" approach 取っている。Kuwait Oman JVのように、技術と資金を提供してワールドクラスの石化計画に参加するもので、本件もそれであるとしている。

同社ではこのアプローチの利点として、①低コスト原料の入手、②パートナーのローカルのノウハウ活用、③資金節減、④リスクが低い、の4つを挙げている。

ダウはタイでの誘導品事業も検討している。プロピレンではBASFと共同で開発した過酸化水素法POHPPO)を、エチレンでは既存のサイアムとのJVSiam Polyethylene でのhigher alpha olefins PE の増設を検討している。

ダウとサイアムはRayongMap Ta Phut に5つのJVを持っている。
 Siam Polyethylene (LLDPE)
 Siam Polystyrene (PS)
 Siam Styrene Monomer   (SM)
 Siam Synthetic Latex  (SB latex)
 Pacific Plastics (Thailand)  (
Polyol)

新クラッカーはこれらの立地に近いため、川上、川下の連携でより効果が得られるとしている。

なお、サイアム側も 4億ドルを投じてHDPE 30万トン、PP 40万トンのプラント建設を計画している。

タイの石化については 
2006/6/8 「タイの石油化学の現状」、
2006/10/6 「タイで年産100万トンエチレン建設」参照 
ーーーー

ダウはまた同日、上海浦東新区の張江高科技園区Zhangjiang Hi-Tech Park)でダウセンターの建設を開始した。
65千m2の立地にR&DセンターとグローバルITセンター、付属設備を建設する。

R&Dセンターは数百人の科学者を擁し、60以上の研究室で、建設、自動車、健康、パーソナルケア製品など幅広い研究を行う。

 

ダウのGreater China (本土・香港・台湾)での2005年の売上高は23億ドルで、米国、ドイツに次ぐ3番目の市場となっている。

ダウの中国事業については 2006/8/23 「中国でのダウの活動」参照

 

張江高科技園区は「中国のSilicon Valley & Pharmaceutical Valley」と呼ばれ、多くの企業が進出している。
http://www.localglobal.de/gbf2004/vortraege/shanghai_zhangjiang.pdf 参照)

Zhangjianghitechpark  
 

 

コメント(2)

プロピレンが80万トンと多いですが,FCCでしょうか?発表には書いてなかったと思います.それともOCT??? ではないですね?へっどこーち

調べたのですが、分かりません。
ナフサ分解となっていますので、もしかしたらOCTかも分かりません。

2005/7/12のABB Lummus Globalの発表には次の記載があります。
In the past twelve months new units were commissioned in Japan, China and the US. Nine additional projects are currently in varying stages of engineering and construction.

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