信越化学は23日、中間決算を発表した。
連結売上高が前年同期比19.4%増の6,390億円、営業利益と経常利益は同33%増の1,200億円、当期純利益は同34.7%増の749億円といずれも大幅増加した。
国内の半導体シリコン製造設備の減価償却(定率法)の耐用年数を、従来の5年から3年に短縮している。(短縮による償却費増は半年で70億円)
3月期決算でも増収、増益、増配を予想している。
但し来年の業績見通しについては、金川千尋社長は、「米国の景気が建設、自動車など下降気味なので楽観できない。今年と横ばいならいい方だと思う」と語っている。
信越化学決算推移 単位:百万円(配当:円)
売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 当期損益 | 配当 | ||||||
連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 中間 | 期末 | |
05/9中 | 535,103 | 276,079 | 90,291 | 35,611 | 90,037 | 36,027 | 55,611 | 22,787 | 17.5 | ー |
06/9中 | 639,049 | 334,650 | 120,024 | 40,243 | 120,043 | 39,711 | 74,932 | 25,311 | 25.0 | ー |
03/3 | 797,523 | 480,243 | 122,149 | 62,014 | 122,119 | 62,011 | 73,015 | 37,028 | 7.0 | 7.0 |
04/3 | 832,804 | 482,580 | 125,625 | 56,073 | 125,612 | 58,065 | 74,805 | 34,725 | 8.0 | 8.0 |
05/3 | 967,486 | 520,289 | 151,734 | 63,081 | 151,503 | 62,030 | 93,160 | 39,020 | 10.0 | 10.0 |
06/3 | 1,127,915 | 582,426 | 185,320 | 73,685 | 185,040 | 72,115 | 115,045 | 45,065 | 17.5 | 17.5 |
07/3予 | 1,290,000 | 690,000 | 241,000 | 80,000 | 241,000 | 80,000 | 150,000 | 50,000 | 25.0 | 25.0 |
セグメント別営業損益と概況 (単位:億円)
各分野ともに好調。
05/9中間 | 06/9中間 | |
塩ビ系 | 182 | 245 |
シリコーン系 | 193 | 200 |
その他有機・無機 | 94 | 106 |
有機・無機化学品計 | 469 | 551 |
半導体シリコン | 258 | 421 |
その他 | 57 | 84 |
電子材料計 | 315 | 505 |
機能材料ほか | 120 | 143 |
全社 | -1 | 1 |
営業損益計 | 903 | 1,200 |
●塩ビ
米国シンテック社が、北米市場を中心に需要が旺盛で、売値も高水準で推移したことから、増収増益になった。
オランダのシンエツPVC社は、欧州全体の需要に支えられ、売上と利益を順調に伸ばした。
国内事業は、中国向け輸出の採算悪化により営業利益は減少した。
【シンテック業績】
売上高 | 経常利益 | 当期純利益 | |
2005/6中間 | 1,058億円 | 170億円 | 112億円 |
2006/6中間 | 1,303億円 | 251億円 | 168億円 |
2003/12月期 | 1,671億円 | 238億円 | 155億円 |
2004/12月期 | 1,971億円 | 271億円 | 179億円 |
2005/12月期 | 2,330億円 | 373億円 | 248億円 |
●シリコーン
中国・米国向け輸出が総じて順調であったことに加え、国内販売が堅調に推移し、増収増益となった。
信越ポリマー㈱の携帯電話用キーパッドなどの加工製品も好調だった。
●その他有機・無機
セルロースは国内が医薬品向けを中心に堅調に推移したほか、ドイツのSEタイローズ社も建材向けの販売が好調だった。
酢ビ・PVAの日本酢ビ・ポバール㈱の出荷も好調だった。
2)電子材料事業
●半導体シリコン
携帯電話、パソコン、デジタル家電、自動車など幅広い分野でデバイス需要が伸びるなか、300mmウエハーでは、需要の拡大を的確に捉えながら、複数の拠点で製造能力の増強を行い、拡大が続く需要に対応した。
200mmウエハーの需要も高水準で推移した結果、半導体シリコンは大幅な増収・増益となった。
当中間期において、国内の半導体シリコン製造設備の減価償却(定率法)の耐用年数を、従来の5年から3年に短縮した。(短縮による償却費増;70億円/半年)
●その他
電子産業用希土類磁石はデスクトップパソコン、サーバー、映像記録機器用途等のハードディスクドライブ向けが好調。
半導体用フォトレジストは、先端デバイス向けに本格採用が始まったArFレジストが好調。
3)機能材料その他
●合成石英
液晶用大型マスク基板は、当後半に調整局面を迎えたが、光ファイバー用プリフォームは需要の回復の兆しが見られたことから、合成石英製品は増収増益となった。
●希土類磁石他機能材料
希土類磁石は自動車、デジタル家電など多くの分野で採用が進み堅調に推移、液状フッ素エラストマーやペリクルも好調に推移。
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同社は中間配当を前年の17.5円から25円に増やした。年間(予想)では昨年の35円から50円にする。一昨年が20円であったので2年で2.5倍になる。
医薬業界では武田薬品が今期中間60円、年間120円を予定している。
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