サンフランシスコ市は環境問題で2つの規制を相次いで実施する。
・本年12月1日から、フタル酸とビスフェノールAを含む幼児用製品の製造・流通・販売が禁止される。
・来年6月からレストラン等での発泡ポリスチレン容器の使用が禁止される。
フタル酸とビスフェノールAの規制は6月に市の健康条例( Health Code )を120対6の大差で修正したもので、環境ホルモン対策として幼児用製品での使用を禁止するもの。米国で初めての禁止条例。
フタル酸については、DINP, DIDP、DnOP を0.1%以上含む3歳以下の幼児用の玩具や幼児用製品、DEHP, DBP、BBP を0.1%以上含む玩具や幼児用製品(年令制限なし)の製造、流通、販売が禁止される。
ビスフェノールAについては、3歳以下の幼児用の玩具や幼児用製品でビスフェノールAを含む製品の製造、流通、販売が禁止となる。ビスフェノールAについては含有量の規定はなく、少しでも含有されれば禁止となる。
禁止対象には次ぎのようなものがある。
フタル酸
・Little Remedies Little Teethers (おしゃぶり)
・Goldberger's Fuzzy Fleece Baby doll の顔
・Walgreens store で売られているゴム製のアヒル
ビスフェノールA
・Disney 製のBaby Einstein rattle(ガラガラ)のリング
・Munchkin製の Fun Ice Soothing Ring teether (おしゃぶり)
・Random Houseの耐水性絵本のプラスチックカバー
・Walgreen-brand の哺乳瓶
・Goldberger doll.の顔
・My Little Pony toy (フタル酸も含む)
フタル酸メーカーやビスフェノールAメーカーは、低濃度のフタル酸、ビスフェノールAは問題ないとして反論している。
玩具メーカーやこれに影響を受けるメーカーは、製品は何十年も安全に使用されているとして法律敗退の訴訟を行っており、1月に審問が予定されている。
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レストラン等での発泡ポリスチレン容器の使用禁止は6月にFood Service Waste Reduction Act として提出されたもので、理事会の一回目審議では満場一致で賛成を得た。
使い捨ての発泡ポリスチレン容器はリサイクルされず大量のゴミとなっているほか、破片が魚や野生動物に害を与えるというのが理由。
条例ではレストランや食品の売店、市の設備等が対象で、使い捨てや持ち帰り用のPS製の皿、椀、トレイ、カートン、カップ、スプーン、フォークなどの使用を禁止する。食料品店で売る肉や魚の発泡PS容器は規制の対象外となっている。
法律は来年1月施行だが、付則で容器の在庫があるレストランには来年6月1日から適用される。
米国では同じカリフォルニア州のバークレー市が20年前から禁止しており、オークランド市は来年1月に禁止条例を施行する。
更に法律では、コストがこれまでより15%以上高くならない場合には、生分解性容器やコンポスト化やリサイクルが可能な容器を使用することを義務付けている。(オークランドの条例では「コストが高くない限り」となっている)
この条項により、発泡PSだけでなく、PPやPVC製の容器も同様に影響を受けることとなる。
カリフォルニア・レストラン協会やポリスチレン容器協会は反対しているが、ゴールデンゲート・レストラン協会は「ほとんどの会員が何年も前から使用を中止しており、グリーンなサンフラシスコを誇りとしているため反対できない」としてこれに賛成しており、法律反対の訴訟は難しいと見られている。
カリフォルニア州の廃棄物管理委員会によると、配水管から回収されるゴミの15%が発泡PSとなっており、リサイクルされない食品容器の禁止の動きが強まっている。
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