スイスのClariant は14日、リストラ構想を発表した。
今回のリストラ構想では、5億スイスフラン(500億円弱)を投じて、工場を10%減らし、2200人の減員を行い、製品数も最低25%減らし、これにより長期の利益ある成長を図るとしている。具体的は閉鎖プラントは明らかにしていない。
第一段階として投資資本利益率(Return on Invested Capital)を2009年末までに現在より25%増やし、業界平均の10%よりも高い水準にする。
販売・流通を今までよりも、もっと需要家重視、特定市場重視に改める。原料購入やサプライチェーン、工場管理等の事業部支援は今までよりも集約し、機能的にする。
各部門とも、成長著しいアジア、特に中国とインドを重視する。
新事業開発(early-stage “incubator” projects)にも注力する。4年間で1億スイスフランを投資する。
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同社は Sandoz の化学品部門が1995年にスピンオフして出来た企業で、Sandoz そのものは1997年にCiba-Geigy と合併し、生命科学に特化したNovartis となっている。
Clariant は1997年にHoechst の化成品部門を買収した。
その時点ではHoechst がClariant の株式の45%を取得して傘下に収めたが、1999年にHoechstとRohne Poulent と合併してAventisになった時点でClariant 株式を売却している。
(その後、2004年にAventis はSanofi Synthelabo と合併し、Sanofi Aventis となっている)
なお、Clariant は1998年に、Novartis から分離したCiba Specialty Chemicals (元 Ciba-Geigy の化学品部門)との合併合意をしたが、同年末に破談となっている。
Clariant は現在、次の5つの事業部から構成されているが、Life Science Chemicalsは来年初めに廃止となる。
1)テキスタイル・レザー・ペーパー事業部
Textile、Leather、Paper用化学品
2)顔料・添加剤事業部
Coating、Plastic、Printing、Specialties
3)マスターバッチ事業部
Europe North、Europe West、Europe South、Special Markets、
Asia、North America、Latin America
◎チバ・スペシャルティ・ケミカルズのマスターバッチビジネスを買収する。
4)機能化学品事業部
Detergents、Performance Chemicals、rocess Chemicals
5)Life Science Chemicals
受託製造ビジネス、スペシャリティ中間体ビジネス
◎受託製造ビジネスは農薬業界の低迷を受け、売却に着手
中間体ビジネス(シリコン、グリオキサル、グリオキシリック酸誘導体)は2007年1月に機能化学品事業部に統合
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